我が家の不飲酒仙人のかみさんが、名代として出席してくれた、先日の《断酒女子オフ会》。
全く酒を飲めないかみさんには、酒で苦しんだ同性の方々の話がとても心に残ったようで、私に女子会のエピソードを何度も話してくれる。
月曜の朝の会話。
かみさん:「参加した人たち皆さん、ドラマの《溺れる人》を観ててさ、アルコール依存がどんだけ怖いか分かるいいドラマだって言ってたよ。あなた、知ってた?」
のみすけ:「知らない。昔やってたやつなの?」
かみさん:「そうみたい、youtubeで観れるってよ」
のみすけ:「ふ~ん」(かなり気のない返事)
かみさん:「あなたはテレビとかドラマとか観ない人だからねぇ~、原作借りて来てあげるよ」
私は、映画は大好きだが、テレビはボクシングか格闘技の番組しか見ない。タレントとか俳優、女優の名前も、古い人しか知らず、家族とはテレビの話では、全く会話にならない。
テレビなど見ずに、家族の中で一番先に寝てしまう私だが、起床だけは早い。今朝、ガバッと起きて、自室へ来たら、机の上にこの本が載っていた。
かみさんが、職場近くの図書館で、月曜に予約を入れて、昨日借りて来てくれたのだそうだ。え!そこまでして、私に伝えたいものがあるのかな?と、すぐに読むことにした。
この本は、表題こそ「溺れる人」だが、5本の書き手の異なる小説から構成されている。第3回読売・日本テレビWoman's Beat大賞の作品である。「溺れる人」は、そんなに長くないので、電車の往復で読むことが出来た。
主人公のパートナーが飲まない人で、酒をやめろとは言わない、この辺りに自分との共通点を感じつつ読んだ。
主人公の飲酒の状態、診察する医者が説明する病態、それらの描写が、これまでアルコール依存症について広く深く学習をして来た私には、手に取るように分かり、一々頷きながら読み進める。
かなり重度のアルコール依存の主人公だが、酒を飲まない期間が二度出て来る。最初は、仕事上の事故で、右腕を肘の辺りで切断しそうになり、3か月入院した時。強制的な禁酒だ。だが、退院してリハビリに入る頃には飲み出している。
次は、結婚してからも荒れていたが、赤ちゃんを授かって、妊娠から授乳期の1年半、我が子の為に酒をやめている。この辺りだけは、本当にほっとした。
けれど、そこからの再飲酒の場面は、読みながら、目を背けた。
どんなにしても、先ずは酒を優先し、飲酒して泥酔した状態でも、車を運転して酒を買いに行く場面があるけれど、背筋が寒くなる。良くぞここまで書いてくれたな~、と。
私もかつて、「溺れた人」だった。一度陸に上がってからは、再度アルコール海に入ることはしていない。
アル中は、陸に上がったままでいなければいけないのに、浅い所なら大丈夫じゃないか、と勝手に判断して、アルコール海へ入ってしまい、深みにハマるのが、再飲酒だ。
この小説でも、あれだけやめていたのだから大丈夫!と、子供が離乳食に移った頃に、久しぶりの酒を飲む場面が出て来る。正に、私だって全く同じことになるだろう、と思いつつ読んだ。
まだこの作品に触れたことのない方。ドラマが好きな人は、youtubeで、私のように活字が好きな人は、本で、どうかこの『溺れる人』を、観賞して頂きたい。
漫画版もある。漫画が好きな人は、こっちがいいかも。
『溺れる人』を話題にして下さった、断酒女子オフ会参加の方々と、わざわざ本を借りて来てくれた不飲酒仙人のかみさんに、感謝!
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