映画が好きで、レンタルショップや近所の図書館へ、よくDVDを借りに行く。
たまたま、題名が気になって、手に取った作品。「失われた週末(THE LOST WEEKEND)」という、1945年の、米・パラマウントの作品。
表面を見て、なーんだ、つまらなそうだな、と、すぐ棚に返そうとしたが、主人公の表情に、なにか引っかかるものを感じ、裏面の解説を読むと...ひどいアルコール依存症の売れない小説家が主人公、と書いてある。これは、おもしろそうだな、と、借りてきて、先ほど観賞を終えた。
私のように、アルコール依存だった人間には、文句なく、おもしろい、というより、随所に出てくる主人公の苦悩は、まさに、かつての自分なので、冷や汗が出る。
Wikipediaによると
《第18回(1945年)のアカデミー作品賞、アカデミー監督賞(ビリー・ワイルダー)、アカデミー主演男優賞(レイ・ミランド)、アカデミー脚本賞(脚色部門:ビリー・ワイルダー、チャールズ・ブラケット)を獲得した作品》
だそうで、更に、
《ワイルダーが『失われた週末』を作った時、パラマウントスタジオは酒造業界から「その作品を処分してくれたら500万ドル払おう」との申し出を受けたという。》
との説明もある。
酒を飲みすぎ、アルコール依存になると、いつもの日常が破壊され、こんなことになるぞー、という、啓蒙的な映画である。
ネタばれしたらつまらないので、ここに詳しくストーリーは書かないが、アルコール依存に興味がある方は、是非観賞されることを、お勧めする。
DVD裏面の説明を、チラッと、書いてみる。
・・・売れない小説家ドン・バーナムは、ひどいアルコール依存症。兄や恋人の協力も無駄に終わった。酒の金欲しさに他人の鞄に手を出したり、商売道具のタイプライターさえ質に入れようとした。やがて病院に収容され、そこを脱走すると今度は幻覚に悩まされるようになる。ついにはピストルで自殺をはかろうとするが・・・
断酒されている方は、これを観て、今後の断酒継続のチカラに、断酒をしようかと思いつつ、踏み切れないでいる方は、これを観て、断酒スタートのトリガーとなれば、と強く祈念!
他にこれまで観たアルコール依存関連の映画では、『酔いがさめたら、うちに帰ろう』(2010/ビターズ・エンド)、『毎日かあさん』(2011/松竹)、の二作が心に残る。やはり、自分と重なるシーンが多く、どきりとした。
ご存知の方も多いだろうが、この二作は、漫画家・西原理恵子さんとフォトジャーナリスト・鴨志田穣さんとの家庭での出来事が原作になっている。
さて、今日も。。。アルコールは一滴も飲まずに済んだ!
(心に浮かぶアルコールの幻影は、その都度追い払うしかない)
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