今日は、昨日ほどの暑さではなかったので、過ごしやすかった。が、別の原因で、激しい飲酒欲求に襲われた。
プライベートな問題で、何ヶ月も前から依頼してあり、先月末で終わりの約束が、相手側の一方的な理由で守られず。。。朝からその件で、イライラ、イライラ。かなり、やばかった。以前なら、このイライラは、飲酒によって紛らわせていたのだが。あまりにもイライラするので、もう、飲んでしまおうか、と思ったのは、事実。
情けないなー。
日によって、大波小波がある飲酒欲求。毎日酒の事を忘れているというのが理想なのだがなー。いつか、そんな日が来るのだろうか。
さて、私の失態ばかりでなく、たまには、私の友人の、酒にまつわる失態の話を書こうかな。
今からもう四半世紀も前のこと。時は、まだ「昭和」。確か、昭和61年か62年だったと思う。当時、私は技術系の会社員。ある大手電機メーカーの工場の生産システムの仕事をしていた。自分の会社に机はあるが、その工場へ何ヶ月か通って仕事をするパターンが多かった。
人手が足りず、たまたまフリーだった私の友人Aに頼んで、スポットで仕事に入ってもらった。臨時雇いのような感じかな。
事件が起きたのは、冬。2月ごろだった。一番寒い時期だ。
その前日、一緒に仕事をしていたのだが、Aは用があるからと、先に帰った。私は、残り、黙々と残業。
そして、当日。メーカーの工場なので、朝が早い。八時始まり。私の会社は九時始まりだったが、当時は仕事に燃えていたから、前日どんなに遅くとも、客先の工場に合わせて八時には現場に着いていた。若かったなー。
ただ、Aは、生来、朝が弱く、その上、時間にルーズなタイプなので、いつも、来るのは早くて九時半、遅いと十時を過ぎていた。
その日の朝は、私が現場へ到着すると、Aがもう来ているではないか!
ナント珍しい!どういう風の吹き回しか。
ところが、Aの外見が、どうもヘン。ここは、思い出すと、つい笑ってしまうシーンなのだが。。。先ず、上着を着ていない。それに、いつも持っているアタッシェケースもない。顔つきが、おどおどしている。無精ひげが生えている。Yシャツがヨレヨレだ。
私:「Aさん。どうしたの、今朝は? ずいぶん早いねー」
A:「あん? まー、その。。。(モゴモゴ)」
近付くと、酒臭い!
事情を聞いてみると、前夜、友人から10万円借り、気が大きくなって、一人で何軒かはしごして飲み歩いているうちに、気付いたら道路で寝ていたのだとか。真冬の深夜から早朝にかけて、ズボンとYシャツだけで過ごしていたなんて!
その工場は、鉄道の最寄駅から、バスで30分くらいかかるのだが、カネがないので、1時間以上かけて歩いて来たのだそうだ。よく、工場の門を入れたねー、というと、身分証明だけはポケットの中にあったのだとか。
その日は、私含め、一緒に作業していたメンバー数人で、Aと共に早めに仕事を上がり、昨夜のAの飲み歩いた先を一軒一軒聞き込みに回った。現金10万円と、アタッシェケースと上着を探して。丸で、ドラマに出てくる刑事みたいだった。(因みにAは、変わっていて、冬でもコートを着ない主義だったので、コートは対象外)
どういう順番だったか、もう忘れたが、なにしろ、3軒の店を回ったのは、はっきり覚えている。屋台、居酒屋、キャバレーだった。居酒屋、キャバレーでは、「あー、この人、確かに来店されてましたよ、でも、10万とか、上着とか、知りませんねー」
ただ、最後に聞きに行った屋台では、収穫があった。屋台を引いていた青年が、その屋台の屋根の上から、Aの上着とアタッシェケースをひょいと取り出し、「あー、これでしょ。忘れもの。でも、現金10万なんて知らないよ」
私達の推理では、屋台の人が怪しいなーなんてことになったのだが、こればかりはどうしようもなかった。
Aは、一体何のために友人から10万円を借りたのか知らないが、使いもせずに紛失してしまったようだ。(多少、飲み代に使ったのかな?)その日は、仲間で反省会と称し、Aにだけは飲ませず、他のメンバーは酒を飲んだ。もちろん私も飲んだ。
こういう事件を他山の石としていれば、私も、もっと早く酒の怖さを自覚できたのに。何しろ、若かった。
因みに、Aは、その後も、懲りもせず、いくつもの失態を演じている。そういう私も、つい数ヶ月前までAと同類で、懲りもせず、全く同じように失態を演じていたのだった。。。
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