本日は、所属しているスポーツジムの忘年会だった。
息子と出席した。数十名の中で、未成年者を除けば、飲まない大人は、極端に少ない。私ともう一人くらいしかおらず、あとは飲む人ばかり。
目の前には、林立する瓶ビール。それぞれのグラスに注ぎ、先ずは、最初の乾杯の準備だ。
私の隣の人が、親切にも、ビールを注いでくれようとしたが、やんわりと、
「あ!私酒やめたんで、こっちです」と、
今では珍しい、あの、瓶入りコーラを注いでもらった。
実は、ひと月以上も前から、この忘年会への出席は憂鬱だった。息子と出ることだし、飲まないことはほぼ確実だったが、その、「飲みたいのに、飲まないでいる」、つまり、我慢が苦痛で、面白くないだろうと予想していたからだ。
さて、実際は、どうだったろう。
『案ずるより産むが易し』
苦痛どころか、ビールだけではなく、日本酒、焼酎、ウィスキー、と、まるで私からすると、悪魔の軍団に取り囲まれているのだが、心は至って平静であり、それらを飲みたいとは思わないでいる自分が、いた。
この心理を言葉で表現するのは難しい。敢えて書いてみると、酒が、目の前にあっても、これまでなら、手が伸びそうな色や形や味を感じていたのに、今の私には、単なる置物とか飾りに見える、とでも表現するしかないかな。
酒をどんどん飲み、顔が赤くなり、賑やかになり、酔っ払っていく周囲の大人を見て、息子は、私にこう言った。「なんで、みんな、あんな紫色の毒を飲むの?」
「え?紫色した飲み物なんて、ないだろ」と私。
「いや、そうじゃなくてさ。お酒って、色で言うと紫色、中身は毒ってこと」
う~む。なるほど、おもしろい表現だな。と、感心した。
私が飲んだのは、コーラ、ジンジャーエール、オレンジジュース、ウーロン茶。あとは、うまい料理と、出席者との会話を堪能することが出来た。
私の中の、のんべーの虫は、退治は出来ていないが、休眠状態にあることは確かだ。こいつを起こさぬよう、深い眠りのままそっとしておくしかない。
断酒の期間が10か月目に入ったことは、私を飲酒という行為から自然に遠ざけることに、益があったということになる。身体は老いて退化しているが、不飲酒に於いては、進化を遂げたようだ。
ただ、飲まなくなった分、やっぱり、飲み会そのものに、以前のような魅力を感じなくなった。大勢で長時間飲み食いするのが、苦痛に感ずるようになった。いいことなのか、悪いことなのか、分からないが、食事はサクッと終わらせて、他の事をする癖が身に付いたようだ。
あと二日で、今年も暮れる。
俳句と短歌で、今日の忘年会を詠ってみた。
『出てみれば 飲まずとも良し 忘年会』
『試練なり 臨む宴会 酒ばかり 終われば楽し 独り飲まずに』
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