成人してから、私は30回以上もの年末年始を経験した。
毎年、クリスマスの明るく賑やかなお祭り騒ぎが25日で終わると、年末に向けて、急に街はしんと静まる。職場では、最後の飲み会があったり、仕事納めには簡単な飲み会を現場でやったりしてから、長めの休みに入る。
独身の頃の私は、必ず帰省して、実家で年越しをしていた。所帯を持ってからは、年末年始とお盆の、あの、日本全国が大騒動のような大移動には辟易し、自宅で過ごすことにしている。
これらの年末年始の思いでの中に、必ず登場してくるもの、それは『酒』。しかも、悲惨な年末年始の思いでの原因は、いつも『酒』。それでも、やめられずに飲み続けてきたのも『酒』。
だが、この年末年始は、大違いだった。先ず、時の経過を噛みしめるような一日一日を送ることが出来た。簡単に言うと、いつもあっという間に過ぎてしまうのに、とても長く感じられた一週間だった。
これを、ついさっき不飲酒仙人のかみさんに、しみじみ話してみたら、
『そんなの、当たり前でしょ! どんなに長い休みだって、大体、いつも昼間から飲んでるか、二日酔いで意識がないんだから!』
んー!実に痛いところを突かれた。「酔っ払っている」ではなく、「意識がない」という表現が、妙に生々しい。正にその通りなので、二の句が継げなかった。
『酒』という飲み物を、飲むか飲まないか、たったこれだけの生活上の違いが、この年末年始の生活の質に、大きな違いをもたらした。
生活の質ということでは、よく、耳にする、QOL。クオリティ・オブ・ライフ。
介護応援ネットというサイトの、【高齢者介護の基本】というページに、
『QOL(Quality of Life)は、『生活の質』と訳され、人間らしく、満足して生活しているかを評価する概念です。』
という説明があるが、問題飲酒者やアルコール依存症者の生活にも、QOLという概念は必要である。酒に溺れてしまうと、人間らしく、満足して生活することが出来ないからだ。
この年末年始に、私(及び家族)は、自分(私)のQOLがかなり向上していることを、まざまざと実感した。
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