酒とは、まことに、奇妙な飲み物である。
たまに飲みたい、のではなく、毎日飲みたい。その内に、飲みたい、から、飲まずにはいられない状態になる。こうなると、飲酒をコントロールしているのは、私ではない。私が、アルコールにコントロールされている。
ところで、飲んで酔うことに、どんな意味があるのか。
これ、真面目に考えると、よく分からない。そして、かなりおもしろい。漢字二文字で表すと、
『滑稽』
であり、その内に、やめたいのにやめられない自分や、やめたのに飲みたくてたまらない、やめてすぐの自分が
『酷刑』
に処せられているような気分になる。
話は全然違うが、知人の出場するキックボクシングの試合を見てきた。これぞ、血湧き肉躍る、シラフの世界だ。
狩猟生活の頃の人間は、こんな風に闘いに明け暮れ、その日を生きていたのだろうなー。などと考えつつ、試合を観戦。
現代は酒に酔ってどこかで寝ていても、死なない。酷寒の地であれば、凍死の危険性は、もちろんあるし、線路上や道路上なら、轢死するが。
泥酔状態というのは、無防備だな~。仮に、誰かが自分を狙っているとして、何の抵抗も出来ず、自分が誰に傷つけられようとしているのかも認識せず、殺められてしまう。怖い話だ。
帰りの電車。乗車したら、ちょうどひとつ空席が。80代くらいの老夫婦と、20代くらいの青年の間。すぐに座った。。。のだが、左隣の80代の白髪の老紳士の様子がおかしい。先ず、酒臭い。それに、寝ているのかと思ったら、どうも気持ち悪くて、下を向いていたようだ。隣の奥さんが、心配そうな表情で覗きこんでいる。老紳士は、かばんをガサゴソ探り始め、ハンドタオルを取り出して、口に当てた。そこで、すかさず、私は席を立った。
どのくらいの量を飲んだのかは知らないが、こんな年齢になってまで、酒を飲んで気持ちが悪くなるなんて。。。と考えると、人生、どこで酒を断つか、ということも、実はとっても重要なことなんだ、と思った。
80歳越えて、気分が悪くなるほど酒を飲んで酔う意味は、一体なんだろう。
今まで、酒を断つことについて色々考察してきたが、今日考えさせられたのは、酒で老醜を晒すのは、イヤだな、ということ。
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