最近、肝臓について学んでいる。
月に一度ある近所の大学の市民講座で、たまたま肝臓の話があったので、聴講してみて、自分の体内にある臓器のひとつである肝臓について、如何に今まで無知であったか、思い知ったのが、きっかけだ。
先生の講義を聴いた他には、本を読んだり、ネットで調べたり。学べば学ぶほど、肝臓という臓器の偉大さが分かってきて、ヘンな表現だが、断酒が継続していること自体に感謝している。
これまで、大量の酒を長年飲んで酷使してきた我が肝臓が、とても愛しい。それで、先日は、我が肝臓を擬人化して、カンゾー君として、対話してみたりした。
ところで、肝臓って、身体のどの辺りに位置しているのかご存じだろうか。お腹？脇腹？おへその下？いやいや、正確なところは人体解剖図を見て頂くとして、大体胃の上辺りで、その四分の三は胸骨に隠れている。
今更ながらのおさらいだが、肝臓には、分解・合成・貯蔵の主に３つの機能がある。
分解とは・・・解毒とも言われ、アルコールや薬物、老廃物などの身体に有害な物質を分解し、無毒化する。
合成とは・・・老廃物を流す「胆汁」を生成・分泌する。胆汁は、脂肪の消化吸収を助ける消化液でもある。もし、脂っこいものが苦手になってきているようなら、肝臓が疲労しているのかもしれない。
貯蔵とは・・・食べ者から吸収された糖・たんぱく質・脂肪などを、体内で使える形に変えて貯蔵し、身体が必要なときにエネルギー源として供給する。
肝臓の中には毛細血管が沢山走っており、１分間に約１．５リットルの血液が通過して行く。その血液と肝臓の組織の間で、物質の交換が行われている。この血液の通り道は、門脈と言われ、胃や小腸から吸収されたものが、静脈を通して、全て一旦肝臓に集まる。もちろん、アルコールも集まる。
肝臓は、肝小葉と言われる約５０万個の粒々から構成されており、ひとつの肝小葉には、更に約５０万個の肝細胞が含まれている。つまり、５０万×５０万＝約２５００万個もの肝細胞が日々働いている。
この肝臓、全体の僅か２割が正常に機能していれば、先ず大丈夫なのだそうだ。だから、沈黙の臓器と呼ばれている。８割がダメになるまで頑張って、まだ悲鳴を上げずに働き続けているわけだ。この辺りが、一番の”肝”。
大量の酒を長期間に渡り飲み続けても、寡黙な肝臓は、粛々と己に与えられた仕事を文句も言わずにこなしてくれているのだが、ある日急に悲鳴を上げる。２割残った正常な部分が傷害された時だろうか。その時には既に肝臓のかなりの部分がダメージを受けている。
実は、肝臓が一番休憩したい時間は深夜０～１時の間なのだという。肝臓の細胞が修復され再生されるピークがその頃なのだそうだ。毎晩深酒をしていたら、この時間帯、肝臓は休みたいのに休めず、ひたすらアルコールの解毒作業をすることになる。
身体に薬物が沢山入ってくると、命に関わるという理由から「分解」即ち解毒が優先され、他の二つの機能は後回しになってしまう。その結果、日々新しく入れ替わる体内の細胞への原料の合成が滞り、身体の新陳代謝が低下する。これが、老化促進の原因となるそうだ。
そう言われてみれば、重度のアルコール依存症に陥った人は、実年齢からは想像も出来ない程老化が進んでいる。以前当ブログで取り上げたイギリスのビバリー・ピッコラーさんと言う女性も、外見はとても３５歳には見えず、丸で老人のようだった。
私の肝臓は、何割が正常に働いているのか、分からない。ひょっとしたら、８割がダメで、２割が正常なのかもしれない。もしそうであっても、もうアルコールを身体に入れて肝臓を酷使することはしないので、このままずっと命の終わりまで、穏やかに働いてほしいものだ。
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午前中、晴れ間にちょっと外出したとき、家の近くの植え込みの半径僅か３０センチくらいのところに、咲いていた花と蝶と甲虫。それぞれ、ムラサキツユクサ、ヤマトシジミ、コガネムシ。酒を飲んでいた頃は、こんな小さな自然には気付かなかった。
以下、それぞれ、アップで。
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