酒をやめてhappyになろう!

31年間飲んできた酒をついにやめる日が来ました。でも、「断酒」はつらいよ。。。さて、いつまで続くか、続けられるか。はっきり言って、自信なし!《飲酒コントロール不能な「のみすけ」が書いてます。適正飲酒の方、酒を愛飲されている方は、当ブログをスルー(無視)して下さい》[コメント気まぐれ返信中m(_"_)m]

断酒・断酒・断酒!!

死のトライアングル(断酒1年120日目)

 本を読んだ。2014年5月8日第1刷なので、新しい本だ。

 

 『アルコールとうつ・自殺「死のトライアングル」を防ぐために』(松本俊彦著/岩波ブックレット No.897)

 

 著者は、現役の精神科医で、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 自殺予防総合対策センター副所長、薬物依存研究部診断治療開発研究室長という、とっても長くて、何回繰り返しても覚えられない部署に所属している人だ。

 

 本と言うよりも、僅か78ページ程度の冊子という感じのボリュームなので、1時間もあれば読めると思う。しかし、内容は、濃い。税抜き620円。居酒屋で地酒の一合でも頼めば、ちょうどこのぐらいの値段だろう。

 

 これまで何度もこのブログでは、アルコールとうつ病、自殺のことを書いてきたが、この本では、私がこれまで他の本やネットの情報を参照して学んできたことのみならず、更に沢山の深い情報がコンパクトにまとめられている。


 我が国の自殺対策は、2006年に成立した自殺対策基本法により、「うつ病」の早期発見・治療に力を入れる、という事に偏っているようだ。しかも、自殺予防のためのメンタルヘルス対策が、あまりにも「うつ病」に偏り過ぎているのではないか、と著者は疑問を投げかける。

 

 実は、著者等の調査によると、自殺をした人と、アルコール問題の関連は、かなり濃厚であることが分かった。アルコール問題とは、アルコール依存症と同義ではなく、かなり広い意味での問題飲酒者を含むということである。

 

 アルコール問題が認められた自殺者の特徴として、次の3点があるそうだ。

 ①必ずしもアルコール依存症者とは限らない。

 ②誰かに相談し、助けを求められない。

 ③専門家が見落としていたかもしれない。

 

 海外では、アルコール依存症は、自殺に関連する精神障害として、当たり前に認識されているそうだが、我が国では、そういう観点での集計すら行われていないとのこと。警察庁の統計は、全く当てにならないそうだ。

 

 病的な飲酒ではなく、”正常な飲酒”であっても、「飲酒」という行動そのものが、自殺に影響することもあるという。それを間接的に示すのが、アルコール消費量と自殺者数の相関で、特にヨーロッパの国々で出ているデータでは、アルコール消費量と自殺率に、正の相関関係が認められるそうだ。

 

 我が国ではそうした研究がないが、2009年の国税庁のデータを使って、アルコール消費量の多い都道府県を並べてみると、鹿児島、宮崎、沖縄、秋田、青森、新潟・・・と...実は、うまい酒の産地であるとともに、自殺率ランキングの上位にも入っているという...

 

 アルコールによる直接的かつ急性の効果として、自殺を促す要因となることがある。これは、アルコール依存症とは言えない、ごく普通の飲酒者にも起こる可能性が十分にあるそうだ。

 

 酒を飲みながらネガティブなことを考え、思い悩むのは、とても危険な行為だと言える。追い詰めらた時は、敢えて酒を飲まずにシラフでいることが大切だと、著者の松本先生は述べている。

 

 もし、悩みを抱えた友人がいたら、飲みに誘うのではなく、昼間のランチで酒抜きで話を聞いてあげたほうが良い。酒を飲んでの会話だと、その時は饒舌になり、あたかも元気になったように見えるが、それから数時間すると、寧ろ気分が悪化し、衝動的、自己破壊的な行動が起きやすくなるという。

 

 まだまだ、とってもいいことが書いてあるのだが、その辺は、買って読んでもらうことにして、もう一つ、やっぱりなと思ったこと。

 

 『否認の病を否認する社会』という章で、我が国の自殺対策で、アルコール問題が語られないのはなぜか、ということについて書かれている。

 

 著者の松本先生が、「アルコールと自殺の関係について」原稿をまとめ、雑誌に載る段取りまで行ったところ、ある酒造メーカーからSTOPがかかったそうだ。「アルコール依存症について述べるのはいいが、依存症ではなく、飲酒すること自体が自殺リスクという書きっぷりはやめてくれ」と。

 

  ここで、この本の後にたまたま読み始めた本『トヨタの闇』の中に、広告宣伝費上位25社ランキング(2007年3月期)という表があり、おもしろいことに気付いた。トヨタ自動車は、1社で1000億円を軽く超えている。が、大手酒造メーカーも、トンデモナイ額の広告宣伝費を使っているのだ。S社約378億円、K社約377億円社、A社約327億円。25位内には入っていないが、もう1社ある大手酒造メーカーも、ん百億円は使っているだろうから、大手酒造メーカーをトータルすると、トヨタを軽く超えている。

 

 この本では、広告宣伝費が、新聞などのメディアに対しては一種の口止め料的な役割を果たしており、どうしてもトヨタにとってネガティブなことは報じられない、と書かれているが、酒造メーカー及び酒そのもののネガティブな面に関しても、同じ論理が働いているのだろう。

 

 やっぱり、何事も裏がある。

 

 ところで、「死のトライアングル」とは、もうお分かりかと思うが、三角形のそれぞれの頂点が、本の題名である。アルコール・うつ・自殺。これらが、相互に絡み合って、死のトライアングルを構成しているのだ。

 

 『トヨタの闇』も、読み終えたら、ちょっと感想を書いてみようと思っている。

 

 

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