自分が過度の飲酒に走るきっかけは、「怒り」が多かったので、昨年の夏ごろから、怒らない練習を始めてみた。
探してみたら、ブログにも、
『怒らない練習(断酒167日目)
いつも笑顔で…Always Smile!!(断酒176日目)
怒らない練習その後(断酒1年91日目)』
と、3回書いていた。
元々は、スリランカ仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老が書いた、『怒らないこと』という本を読んだことがあり、それを実践してみようと思い立ったのだが...
なんと、そのアルボムッレ・スマナサーラ長老の『怒らない練習』という本が去年の5月に出版されていたのを知らなかった。知らずに、勝手に練習していたのだが、この本に書いてあるほうが、はるかに分かりやすい。
ここ数日読んでいて、今日読み終わった。
アレン・カー氏の『禁酒セラピー』を知らずに断酒を自己流で始めて、後からその存在を知って地団駄踏んだ経験と似ているなあ。
仏教では、怒りといっても10種類もある。
ドーサ→基本的な怒り
ベーラ→憎悪
ウバナーハ→怨み
マッカ→軽視
パラーサ→張り合い
イッサー→嫉妬
マッチャリヤ→物惜しみ
ドゥバッチャ→反抗心
クックッチャ→後悔
ビャーパーダ→激怒
自分が怒っているかどうか、簡単に分かる方法。「嫌だ」「つまらない」「みにくい」などという感情があれば、怒りだという。自分に、今楽しいか?と問いかけて、「楽しくない」「つまらない」「嫌だ」という答えであれば、怒っている状態と言える。
「楽しい」「わくわくしている」「元気」という気持ちでで一杯ならば、心に怒りは無い状態だといえる。
一番の肝は、怒りには何ら良いことが含まれていないということだろう。何かに怒って、怒っている自分が、或は怒られているその対象の人が、何かいい思いをするだろうか?怒りで何か得をするだろうか?
例えば、朝からついてないことばかり起きて、落ち込んでしまう日がたまにあるが、そういう時、スマナサーラ長老は、
「今日は私の大事な不吉日です。めったに訪れることはないので、思う存分、ツイてないことを楽しみます」英語だとToday is my "precious and rare" unlucky day.
と述べておられる。
ツイていることばかり期待しても裏切られるのだから、ツイていないことにも慣れなければならない。ツイている時は冷静に、ツイてない時はそれなりに頑張ってみる。これでいいじゃないか。
怒ると、損なことばかり。怒ると冷静で論理的ではいられなくなり、感情的になるから、普段なら絶対にやらないようなことをしでかし、言わないようなことを言ってしまう。そして、自分の怒りが、周囲に伝染して行き、負の輪が拡散する。
なので、怒りの炎は、火種の内にすぐに消火する癖をつけるのが一番良い。
それと、「笑い」の重要性。「笑い」と「怒り」は決して両立することがない。怒らない事と同時に、笑う事、も練習すると良いそうだ。世に完全なものを求めて、それが見つからずに怒る人の反対で、世には不完全なものしかない事を認め、そのズレや面白いことを発見して、笑ってしまう。それだけで、怒りは消えてゆく。
でも、いつだって怒らないでいることは無理だろう。理不尽なことをされたり、損害を与えられたり、差別されたり、中傷されたり、だまされたりしたら、本気で怒った方がいいのではないか?と、本を読み進めつつ思っていたら、最後の方に、こういうことが書いてあった。
『そのときも、答えはやはり「怒らないこと」なのです。仏教は、いつ、どんなときも、理不尽極まりないことが身に降りかかったときでも、怒らないで対応しましょうと教えます。』
なーるほど。そういえば、お釈迦様が怒り狂った姿は想像出来ないな。
しかし、しかし、しかし...怒らないでいることは、とっても難しいな!
だからこそ、毎日の練習が必要なのだ。
つい数時間前のことだが、子供たちが夏休みに入ったので、料理の練習がてら、カレーを作ってもらうことにして、野菜の下処理から任せてみた。
娘の、人参を切る時の手つきがあまりにも危なっかしいので、ついつい横からあーでもない、こーでもないと、口を入れていた。その度に口答えしてくる娘に腹が立ち、大声で怒鳴ってしまった(笑)
怒鳴りながら、心の中で、
(おいおい!ついさっき読み終わった『怒らない練習』はどうなったんだ?)
とつぶやく冷静な自分もいた。
飲酒欲求がどこかから湧いてくるのと同じで、怒りも湧いてくる。私のような凡人には飲酒欲求も怒りも、ゼロになることは生きている限り無いと思われるので、毎日の怒らない練習と酒を飲まない練習を続けないといけませんなー。
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