『一億総白痴化』という言葉、今となっては古いかもしれない。どこかで聞いたことがあるという方は、私と同じか、もっと上の世代だろう。
その昔(1957年)、評論家の大宅壮一が雑誌に書いた記事から広まった。この頃、巷に広まりつつあったテレビに対して、こんなものをぼんやり見ていたら、日本国民全てが白痴化してしまうという意味で使われたようだ。
今日の終戦記念日と重ねて、8月10日(日)にフジテレビの、『ザ・ノンフィクション』という番組で、「黒島を忘れない 2014」と題して、特攻隊のことをやっていたのを思い出した。
第二次大戦の末期、あの特攻隊が、鹿児島の基地を飛び立ち、沖縄のアメリカ艦隊に体当たりを仕掛ける。番組は、この時、戦闘機の不調で、鹿児島県の黒島に墜落したり、不時着したりして、島の人に命を助けられた特攻隊員のことを取り上げていた。
内容を詳しく書くよりは、テレビ番組(WEBの動画でも見ることが出来るようだ)を見て頂いたほうが早いので書かぬが、生き残った人の証言や、当時、傷ついたパイロットを介抱した人たちの証言などを聞くと、この頃の人たちは皆、全てはお国の為ということで行動していた。良いとか悪いとかではなく、時代が、彼等を動かしていた。
戦争末期の頃、軍部で良く使われた『一億玉砕』とか、戦後に使われた『一億総懺悔』とか、日本人は何しろ、皆一緒が好きな国民だ。一億の国民が一緒に行動しようという方向へ持って行く。
ここで、一億総○○、と表現するとき、なんでもかんでも、同じように振る舞おうとし、少しでも他の人と違うことを良しとしない、何かがあるような気がするのだ。この習性が、今でも、組織中で見られる。なかんずく、飲み会・宴会などで、見られる。
右へ行け!と言われれば、「ハイ!」と右へ、左へ行け!と言われれば、「ハイ!」と左へ。反対の動きをしたやつは、村八分になる。これが、いけない。今でも、子供たちの中でさえ、個性を殺して、他の子と同調しようとしている。そうでないと、仲間外れにされるという。これは、内の子に聞いた。
大宅壮一の憂えた『一億総白痴化』は、いまやほぼ実現しているのかもしれない。酒の問題だけではないが、断酒ブログなので、酒に限って書いてみれば。。。
多くの人が見るテレビで、当たり前に流されているCM。老若男女、誰でも見る。あー、うまそうだな、と思う。タバコのように業界の自主規制もない。国も規制しない。これひとつとって考えてみても、『一億総飲酒化』を狙っているようにしか思えない。
ざっくりと、日本の飲酒人口は6000万人とも言われているので、『一億総飲酒化』も、あながち非現実的とも言えないところが恐ろしい。「お酒は二十歳になってから」という、大人になったら酒を飲むもの的な標語で、やんわりと未成年者を飲酒世界へ誘っているし。
世の多くの人と同じにならないように、テレビを見ない・酒を飲まない・人と同じ行動をしない、など、自分独自に考え、行動することが、これからの時代、自分を守ることになると、私は考える。
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