先日、ちょっとだけ紹介した本。
今までも、なだいなだ先生の本は、幾度も感想文を書いているが、他の著書と内容的に重複している部分はもちろんあるけれど、やっぱり、ためになる。
飲まなくなってから、今日で525日となったが、かなり弱まったとはいえ、まだまだ飲酒欲求はゼロにはなっていない。
こうした書籍で学ぶたびに思うのは、この病の根の深さだ。飲まないでいても、治癒しているわけではないというところ。
今朝方、昨日の茨城で女子大生が酒で亡くなった話をかみさんにしたら、
妻「急性アルコール中毒だったんでしょ?」
私「そうだよ」
妻「また飲んだら、あなたもなるね」
私「え!?オレ、また飲むと思ってるの?」
妻「魔が差して飲むことだってあるかもしれないよ」
私「○×△#%」
妻「今度飲んだら死んじゃうかもね(笑)」
(軽く笑いながら、「死んじゃうかも」なんて・・・何を考えてるんだか、いつもシラフのかみさんがコワイ...)
そうか。魔が差す、か。ないとは言えないな。
かなり縮んだ小悪魔が、今でもたまに私に声を掛けてくる。
「ちょっと、ビールどう?大丈夫。コップ1杯でやめればいんだから。」
コップ1杯なら、酔わない自信がある。が、問題は、2杯目につながらないのか?というところ。つながらないわけがない!
この本にも、次ようなくだりがある。
《アルコ―リズムに治癒はあるか》いう章で、刑務所に入れられたアルコ―リックがいて、彼は3年間そこで過ごした。当然、アルコールはすっかり抜けて出所した。さて、その日、彼はどう思っただろうか...
「おれは3年間も酒が飲めなかった。何と3年間も!これで自由になる。まずなにをするか。そうだ!なにはさておいても酒だ。久しぶりに、一杯だけ酒を飲もう!」
私は、ここを読んで、なだ先生の言われることが良く分かった。身体から酒を抜くことは、比較的簡単だが、それでは何の役にも立たないのだ。心の変化が伴わなければ、無意味だということだ。
その後で、更に、先生がアルコ―リズムは治らない、と言われるのは、飲みたい気がゼロになることはない、ということだと書かれている。正に、最近私が感じていることと、ピタリと一致する。
もうひとつ、こうも書かれている。
「アルコ―リックは、酒を飲めるようには治らない。それゆえ、一生断酒を続けねばならない。治療の結果、酒を飲まずにいられるようになったわけではない。断酒をすることが、アルコ―リズムの治療そのものと理解できるようになったのである。」
ところで、この本で知ったのだが、女性の耳に入ったら、カンカンに怒られそうな抗酒剤がある。その名も、『アンタブス』。『シアナマイド』というのは良く聞くが、『アンタブス』というのは、今でも処方されているのだろうか。
最後に、今日の毎日新聞で、気になったニュース。
アルコール依存症患者が、全国で推計100万人を越えたといわれる中で、女性の患者が急増していると言う。女性が社会に出て働き、酒に触れる機会が増えたり、女性の負担が大きい子育てや介護の負担から、酒に走ってしまったりすることが多いそうだ。
が、記事を読んで私がなるほど!と思ったのは、『女性の消費拡大を狙う飲食店やメーカーの競争』があるという個所だった。
続けて、男性で酒を飲む人の比率が、1980年代の9割から、最近は8割に落ち込んでいて、その減った分を補うために、女性をターゲットにしているのだそうだ。
記事に書かれている、NPO法人「アルコール薬物問題全国市民協会」の今成知美代表の言葉。
「体格が小さい女性は男性よりアルコールの分解が遅く、依存症になりやすい。医療や行政は、女性特有の問題にも配慮した治療や相談体制を作るべきだ」
これも、もちろん分かるのだが、その前に、酒造メーカーと飲食店よ!毒(エタノール)入り飲料の消費拡大の為に、安易に女性や若者をターゲットにしないでほしい。その毒性を知らずに大量に飲んで、死ぬ人がいるのだ!
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