制御工学という分野で、《フィードバック制御》と《フィードフォワード制御》という制御方法がある。
-------------(コトバンクより)--------------------
《フィードバック制御》
自動制御方式の一。出力の信号を入力側に送り返して適切な目標値または基準値になるように出力を制御するもの。
《フィードフォワード制御》
自動制御の方式の一。出力に変動を起こさせるような外乱を予測し、前もって打ち消してしまう制御方式。ふつう、フィードバック制御に付加して用いられる。
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《フィードバック》と言うのは、私たちでも、普段良く使うし、結構言葉として知られている。人間として行動しやすいのは、《フィードバック》かもしれない。
ある目的を遂行する時に、ダメだったことやうまく行かなかった点を改善し、《フィードバック》することにより、もっと効率よく出来たり、動いたりする。
思うに、断酒も、過去の問題飲酒や、それに伴って生じた実害を反省し、酒を飲まないと言う行為に反映させる、《フィードバック》ではないだろうか。根本的な問題に気付き、それを基に、酒を断ち続けることは、素晴らしい。が、《フィードバック》だけでは、酒を断ち続ける「現状維持」だけで、その先へ進まない。前進が無いような気がする。過去に問題飲酒があった。今はやめている。それだけかも。
《フィードフォワード》は、その視線が未来へ向けられている。
旅で例えるなら、いつも目的地が同じで、そこへ如何に早く効率よく無駄なく着くか、がフィードバックで、新天地を求めて旅するには、どうしたらいいのか検討して進むのがフィードフォワードだろうか。
料理で例えるなら、いつも同じもの(例えばカツ丼)を作るのだが、食感や味の為に、塩加減とか甘味、カツの厚みなどを調整するのがフィードバックで、新作・創作料理をどんなものにしようかと考えつつ、挑むのが、フィードフォワードだろうか。
私は出席したことがないので、書籍やWEBなどでの情報しか知らないが、自助の会などでも、ひたすら自分の過去を語り、その悲惨さを共有し、二度と酒を飲んではならない戒めにしているようだ。それは、必要であり、有益なプロセスである。素晴らしいことだ。
だが、しかし、その上に、もっと未来を見て、明るい目標を持って歩むと言うことがあると、更に前進出来るような気がするが、どうだろうか。
未来をこうしたいから、酒はやめた、とか、自らの手で今の生活を3年後にはこんな風に変えたいから、酒は飲まない、とか、語り合えば、断酒と共に夢実現のモチベーションもUPするだろう。
もっと身近に、血圧を薬を飲まずに正常値にしたいから、断酒するとか、奥さんや子供の笑顔を見たいから断酒する、でも良い。爽やかに毎朝早起きして日の出を見たいから、なんてのも良いかもしれない。(あー、これは全部、私のささやかな《フィードフォワード》である。)
過去に問題飲酒をしたから、もう二度と飲まない、と言うのは、最初の段階では当然必要なことだが、そればかりでは、そこでグルグル回って滞留しているだけだ。
《フィードフォワード》とは、変えることが出来るのは、自分と未来だけ、という考えに基づいている。これからどうしたいのか。それには今、どうしたらいいのか。
《フィードバック》は、どうしても過去を振り返り、それが原点になる。昔、何をしたのか。何が良かったのか、何がいけなかったのか。それによれば、今、どうすればいいのか。
もちろん、《フィードバック》《フィードフォワード》両方とも必要である。
ただ、《フィードバック》だけで終わってしまうと、折角の未来がやって来ない。《フィードバック》して、現状を改めたなら、次のステップとして、或いは、《フィードバック》と同時に《フィードフォワード》を行うのが理想だと思う。
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