巷では、癌やら精神疾患やらその他の病気の過剰診断が問題視されている。
今や何でも数値で判断され、正常値の範囲に入っていないと、○△×症と診断され、薬で調整されてしまう。
血圧にしても、しかり。”正常値”を《10》操作するだけで、1000万人単位で、”高血圧症の患者”が、増えたり減ったりするそうだ。
昨年出た、過剰診断の事を書いた本を、図書館で入手できたので、一気に読んでしまった。
『過剰診断 健康診断が貴方を病気にする(H・ギルバート・ウェルチ、スティーヴン・ウォロシン、リサ・M・シュワルツ著/筑摩書房)』
癌検診や、健康診断については、巷間、その意義が問われている。癌は本当に早期発見早期治療で治るのか、とか。健康診断でのレントゲン被曝が、実は癌を発生させているのではないか、とか。
私の意見ももちろんあるが、ここでは述べない。
この本の主張は、過剰診断の弊害だが、ことアルコール依存症については、どんなに過剰診断でも問題ない、どころか、寧ろ過剰診断で良いと思うがどうだろうか。
ひょっとして自分がアルコール依存症かも知れない、と悩んでいる人がいる。飲む量はこのぐらいで、ほぼ毎日飲んでるけれど、私はアルコール依存症だろうか。簡易テストの○×をつけて見たけれど、グレーゾーンだ、とか。
私が(勝手に!)考えるのだが、思い悩んだ時点で、医者での確定診断を待たずとも、アルコール依存症でいいではないか。
この閾値を越えたら病気で、ここまではそうではない、などと言う便利な指標は残念ながらアルコール依存症には、存在しない。
例えば、医者へ行き、「大丈夫。あなたはまだアルコール依存症ではありません」と言ってほしいのだろうか。そうすれば、安心して過剰飲酒を続けるのだろうか?
他の病気と違って、治すのに服薬しなければならないわけでもなく、酒を断てば良い。病と認めてなすべきことは、たったこれだけなのだ。
もっと重症のアルコール依存症の人は、そもそも自分が病気なのだろうか、などと悩むことなく、飲み続けている。周囲の家族がやきもきして医者へ行かせようとする。医者へ行けば、その飲みっぷりから、決して過剰どころか、当たり前にアルコール依存症の診断が下るだろう。この場合は、抗酒剤などが処方されるかもしれない。
ひょっとしたら、自分はアルコール依存症なのだろうか?と一度でも不安になったことがある人は、その通り、アルコール依存症なのだ。認めてしまおう。
やることはたったひとつだけ。酒を断とう!
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