人生にも、物語にも、飲酒にも、断酒にも、起承転結はあるのかもしれない。
以下は、コトバンクの「日本大百科全書(ニッポニカ)の解説」にあった、有名な『春暁』からの解説。
(『春暁』は、確か高校の頃、漢詩で習った。暗記してきなさいと言われ、ブツブツと何度もつぶやきながら覚えた。)
〔起〕春眠暁を覚えず――春の朝の心地よさを、非凡な表現でまずうたい起こす。
〔承〕処処啼鳥を聞く――春の朝の明るい情景をさらに展開させる。
〔転〕夜来風雨の声――春の朝の情景から、夕べの風雨の回想へと、場面が一転する。
〔結〕花落つること知る多少――転句を受けつつ、水に濡(ぬ)れた落花の散り敷く庭を想像して全体を締めくくり、むせるような春の気分を言外に漂わせ、尽きぬ余韻を残す。
では、飲んだくれの起承転結を。
起・・・飲みたいな
承・・・グビグビごくごく
転・・・あぁ~いい気持
結・・・わぁっ!またやっちまった!
と、これではツマラナイので、春暁をマネた漢詩風にしてみる。
〔起〕凡人飲みたくてたまらず――凡人が酒を飲みたくてたまらぬ様子をまずうたい起こす。
〔承〕ゴクゴクと喉を鳴らす――手に取った酒を好きなだけ飲む情景をさらに展開させる。
〔転〕酔い回りご機嫌の声――飲み過ぎて酔いが一気に回った情景へと、場面が一転する。
〔結〕やっちまったこと知る多少――転句を受けつつ、あれほど恋焦がれて飲んだ酒にまたもや一杯食わされたことを知り、地団駄踏む様子を言外に漂わせ、尽きぬ余韻を残す。
それでは、お待ちかね!?断酒の起承転結をば。
起・・・やめねばならんな
承・・・ぐっと我慢だ飲まないぞ
転・・・飲まないほうが調子いいぞ
結・・・やっぱり断酒が正解じゃないか!
こんな感じだけれど、同じように漢詩風に表現してみると...
〔起〕飲んだくれ断酒を決意す――飲んだくれが問題飲酒に気付き断酒を決意した様子をまずうたい起こす。
〔承〕日々飲酒を我慢す――飲みたくてたまらぬが、ひたすら我慢する情景をさらに展開させる。
〔転〕飲まぬ日の体調の良きこと――酒を飲まない日の体調の良さに気付き満面笑顔へと、場面が一転する。
〔結〕断酒の素晴らしさ知る多少――転句を受けつつ、あれほど辛かった断酒当初の頃に比べ、今や酒のない生活が板に付き、その素晴らしさを言外に漂わせ、尽きぬ余韻を残す。
断酒の場合、【起】【承】までは、誰でも来るわけだが、【転】がどうなるかによって、【結】が決まる。
【転】で断酒に慣れて、それが快適だと実感すれば、【結】は、めでたしめでたし、断酒継続の素晴らしき生活。
【転】で我慢ならず再飲酒してしまえば、【結】は、あらま、また元の飲んだくれに逆戻り。また【起】から始めようね!
断酒1000日達成まで、あと56日。ブログ更新も一時スランプに陥ったが、ちょっと調子が出て来た!ネタが次々に湧いて来たし、読書感想文もまだまだ書けそうだ。
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