今日たまたま書店で手に取った本。
『危険ドラッグ大全(阿部和穂 著/武蔵野大学出版会)』
2016年3月3日初版の、新しい本だ。著者は、武蔵野大学薬学部教授。
危険ドラッグの定義は、
「指定薬物と少々化学構造が違うだけで、既存の法律の規制対象とならないものを指す。」
と本の冒頭に書いてある。
《乱用の恐れがある薬物の作用と分類》と言う表の中に、アヘン、モルヒネ類、バルビツール酸系催眠薬、ベンゾジアゼピン系催眠薬、アルコール、コカイン、覚醒剤、ニコチン、メスカリン、LSD、MDMA、大麻、シンナー(トルエン)と、並べられている。
これらの薬物は、脳に対してどのような作用があるかによって、大きく3つに分けられる。
1.神経を抑制させる作用のある、ダウナー系。
2.神経を興奮させる作用のある、アッパー系。
3.幻覚を生じさせる作用のある、サイケデリック系。
ダウナー、アッパー、サイケデリック、何れに属そうと、精神が異常な状態となり、一度手を出したらやめられなくなってしまう、薬物依存が生じることは同じ。
因みに、酒の主成分アルコールは、ダウナー系の薬物に分類される。
薬物依存は、精神的依存と身体的依存の二つに分けられる。これらは、アルコール依存症について学んだ人なら、誰でもご存知の基礎知識であろう。
まだ読み始めたところなので、読書感想文とは行かない。が、日常的に普通に飲まれている飲料に含まれるアルコールが、危険ドラッグのダウナー系に分類される薬物であること、これの意味が、とても重要なので、読み終わる前に書いている。
この辺り、ただ酒が好きで飲んでいる人は、知らないのかもしれない。一時的に大量に飲んだ場合どうなるのかとか、日常的に大量飲酒を繰り返した場合身体にどんな影響があるのか、考えもしないのだろう。少なくとも私は、飲酒時代、考えたことが無かった。
アルコールが、アヘン、コカイン、モルヒネ、シンナー、LSD、大麻、覚醒剤などと同列に分類される危険ドラッグの仲間であることを、理解するだけでも、断酒するには強い動機付けになる。
これら危険ドラッグには、合法か、非合法かだけの違いしかなく、成分は身体にとって同じように害があるのだ。
私は酒を断った。とか、私は酒をやめたい、ではなくて、
→私は合法危険ドラッグアルコールを断った。
→私は合法危険ドラッグアルコールをやめたい。
に言い換えてみたらどうだろうか。
何しろ、大学の薬学部の先生が、きちんとアルコールを危険ドラッグに分類されているのだから、説得力がある。
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