「隠さない、ごまかさない、逃げない」
最近読んだ本『ルポ 医療事故(出河雅彦著/朝日新書)』の中にあった。
この本そのものは、アルコール依存とは何の関係も無い。(そう言えば、最近、アルコール依存関係の本はあまり読まなくなって来た...。)病気や怪我を治すために医療機関に掛かったのに、医者のミスで亡くなってしまったり、もっと酷い状態になってしまったりする医療事故についての本だ。
医療に関して全くのど素人である被害者とその家族は、証拠を隠滅し、ミスを隠そうとする医療機関側と、真実を明らかにするために闘わなければならない。
これまでに起きた重大な事故と、その顛末が詳細に書かれている。
「隠さない、ごまかさない、逃げない」
これは、2002年に名古屋大学付属病院で起きた医療事故について、病院幹部らが事後対応をするときの原則となったものだ。全てオープンにするとの前提で、迅速に動いた。
名古屋大学病院は、2000年に医療事故防止マニュアルを作り、次の2つを原則に掲げていたそうだ。
1.「人は誰でもミスを犯す」という見地に立ち、医療事故が起きてしまったときは、「いかに患者を守り、影響を最小限にするか」が、医療者にとっての課題。
2.①隠さない=信用の保持 ②ごまかさない=正確な情報 ③逃げない=誠実な対応
この本の中では、病院側の不手際の事例が多いが、名古屋大学病院は、この原則によって動いた結果、最終的には患者側の家族も納得の出来る対応を行ったのである。興味のある方は、是非本書をお読み頂きたい。
酒を断つ上でも、この原則「隠さない、ごまかさない、逃げない」が、とても有効だと思い、これを書いている。
ただ、言葉的には、これまで書いて来たことと矛盾している。自分をごまかせ、とか、酒から逃げろ!とか、書いた覚えがあるので。
この「隠さない、ごまかさない、逃げない」は、私が何らかのきっかけで再飲酒してしまった時に有効になる原則だと思う。まー、何と言うか、医療事故ならぬ再飲酒事故とでも言うべきか。上記の原則をちょっと書き直してみると・・・
1.「人は誰でもミスを犯す」という見地に立ち、再飲酒事故が起きてしまったときは、「いかに自分を守り、影響を最小限にするか」が、断酒者にとっての課題。
2.①隠さない=信用の保持(飲んでしまったこと)
②ごまかさない=正確な情報(どんな状況と心理状態で飲んでしまったのか)
③逃げない=誠実な対応(また断酒にトライする)
「人は誰でもミスを犯す」 ←これは、本当にこの通りであって、人間である限りは、避けて通れない。事後処理が大事だと考える。
私も、高々3年と少し酒断ちが続いているだけで、いつどこで魔が差すか分からないのである。
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