アルコール(エタノール)は、依存性のある薬物で、主に酒に含まれている。
飲んだくれ時代、私の酒の飲み方は、刹那主義。とにかく飲んで、今すぐ気持ち良くなりたい。楽になりたい。
飲む速さと量にもよるけれど、すぐに酔いが回るので、この望みはあっという間に叶えられる。
これが、刹那主義的に飲む酒である。
《刹那主義》・・・本来は、この刹那(仏教での時間の最小単位)つまり、一瞬を大切に生きなさい、とのお釈迦様の尊い御言葉である。現在、慣用的に使われている意味とは、全く違う。
酒をやめられないケースでは、過去や将来のことを何も考えず、たった今さえ楽しければ良い、今、快楽を得たいわけである。そんな時、薬物(エタノール)入りの飲料=酒は、とても便利だ。ほぼ何の規制もなく、かなり度の強いものでも、何本でも誰でもいつでも買うことが出来る。
酒の入っていない素面の時、アルコールに支配されていない頭で、よくよく考えてみると、果たして、自分はどちらの意味の刹那主義で人生を送りたいのだろうか。
たった今さえ楽しければ良いほうの刹那主義ならば、酒を飲めば良い。但し、その楽しいたった今は、すぐに過去になり、たった今を続けるためには、酒を飲み続けなければならない。
たった今、この瞬間を大事に生きるほうの刹那主義ならば、先ず、酒を断つ。暫く苦しい日々が続くだろうが、その苦しい刹那さえ大事にして生きてゆくのだ。
人生の最期、振り返った時に、一体どちらの刹那主義が自分にとって良かったと思えるのだろうか。
好きなだけ酒を飲んで、アルコールによる快楽を得て、今さえ愉快ならば良いとの生き方を選んだ人は、刹那を大事にして生きたことにはならない。寧ろ、たった一度の人生を、アルコールによって空費してしまっただけだろう。
断酒によって、自分の生き方を選ぶことが出来ること、これに気づくかどうか。
今この瞬間の快楽を追い求める意味での刹那主義は、その楽しい瞬間が永続しない点に於いて、とても空しい。このことは、大酒を飲んだ日の翌日、浪費した時間と失くしたお金と、酷い二日酔いに苦しんだことのある人は、良く分かるだろう。
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