酒の飲み過ぎによって、ほろ酔いを遥かに超えた酔い方をすると、記憶が飛ぶ。
これは、以前も書いたけれど、脳の海馬が、アルコールによってその機能を停止してしまい、忘れる前に、そもそも記憶されていないからだそうだ。詳しくは、断酒1年後に書いた次の記事をどうぞ。
2014/4/5
『忘れる前に覚えてない!?(断酒1年22日目)』
初コメントを下さったポンタさんの、
「ブラックアウトしてしまい、記憶はありませんが、許されることではありません。」
との一文が、正にその状態である。
私もかつて、何度も経験がある。泥酔によるブラックアウト。アルコールが抜けて自分を取り戻したとき、昨夜遅くから今朝方までの記憶が飛んでいることに気付く。いくら思い出そうとしても、何やら怪しげな記憶が断片的に残っているものの、つながらない。
そして、他の人から、自分の大失態を聞くことになるのだ。自分には全く記憶がないので、それらの自分の演じた酔態については、最初は全然信じられない。だが、周囲の人はちゃんと見て、覚えているのだ。知らないのは、それを演じていた自分だけと言う、滑稽さ。穴があったら入りたいとは、正にこの時の心境だ。
私が酒を断った直接の原因がこの、アルコールによる記憶喪失の恐怖だった。自分のしでかしたことを、全く覚えていないことに気付いて、青ざめた。一体オレは、何をやっているんだ!こんないい年になって、自分は何をやっているんだ!アホかオレは!
私の場合、最後の飲み過ぎによる泥酔が、自宅での飲酒であったので、幸いにして、大失態は家庭内で閉じられており、迷惑をかけたのが家族だけだったのが勿怪の幸いであった。
アルコールは脳全体に作用し、著しく人格を変えたり、足もとをふらつかせたりする。2016年の大晦日に、大阪の地下鉄で、酒に酔った20代の青年がホームから転落し、列車に轢かれ、片足を膝下から切断する重傷を負ったそうだが、これもアルコールが原因だ。
酔って気持のよい時間など、人生の長さからしたら、ほんの一瞬に過ぎない。その一瞬の為に、自分をアルコールの危険性のリスクに晒す人がかなり多い。(などと高尚なことを書いている私が、かつては30年以上も、アルコールのマイナス・ハイ・リスクに己を晒しまくっていたのだ!)
アルコール過剰摂取のリスクは、運が良ければノー・リターン。ちょいと運が悪ければ、二日酔いなどのロー・リーターン。もっと運が悪ければ、怪我をしたり病気になったりのミドル・リターン。運に見放されると、己の命を落とすか、他人の心や身体を傷つけたり、命を奪ったりしてしまうハイ・リターン。
こんなにも予めマイナスのリターンが決まっているものなのに、人は酒と言うリスクを敢えて取るのだ。
酔いから醒めて己を取り戻した時、先ずは自分が五体満足であれば、一安心だが・・・それだけでは、まだ本当に安心は出来ないのだ。何故ならば、泥酔による記憶喪失により、前夜から早朝にかけて、自分の行動を覚えていないからだ。
大抵の場合、自分が泥酔中は、どこからともなく別人格が出現し、とんでもない行動をしていることが多い。本来の自分は消失し、アルコールが脳に回った時にしか出て来ない、無責任な別人格が、勝手な行動をするのである。
自分がいない間に、別人格が、他人を言葉で傷つけたかもしれない、他人を暴力で傷つけたかもしれない、セクハラをしたかもしれない、何か盗んだかもしれない、器物損壊をしたかもしれない、誰かを殺したかもしれない・・・等、他にも、どんな行動をしたか分かったものではない。
酒を飲んだとて、ほろ酔い程度で終わりにしておけば、記憶が飛ぶこともなかろうが、得てして飲んだくれは、ほろ酔い程度の酔い方では満足できない。だから、とことん飲むのである。結果は、泥酔。記憶喪失。大反省。と、こうなるのだ。
酒を飲んで、記憶が飛んだことが、笑い話で済んでいる間は気付かないだろうが、実際に、酒が原因でもっと深刻な事態に陥った場合、絶対に後悔するのは、「あ~、あんなに飲まなきゃ良かったのに!」である。これは後の祭りだ。
アルコールによる記憶喪失を一度でも経験したことのある方は、2度目、3度目が必ずあるので、その前に、断酒をお勧めする。
酒を断つことの素晴らしさは、朝起きたときに、前夜からの記憶がつながっていることである。この安心感を、私は今でも毎朝味わっている。これも、断酒の醍醐味のひとつである。
是非、酒を断って、みなさんも毎朝この断酒の醍醐味を!
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