3月のこの時期、卒業のシーズンである。
卒業は、学校から、友達から、先生から、別れ、巣立つわけだが、その前に、入学があったからこその卒業である。
この、学校の卒業シーズンに、私はいつも、自分の酒との別れを重ね合わせる。飲酒に入学したのは二十歳の頃で、30年以上の期間、随分と長きに渡って在学していたものだが、4年前に酒から卒業をし、すっぱり別れた。
当時を振り返れば、酒との別れは、辛く悲しかったことは確かだ。が、今となっては、ある意味、もっと早く別れれば良かったのに!と心底思うくらいの、禄でもない存在に成り下がってしまった酒である。
そして、別れの後には、必ず出逢いが待っている。卒業し、巣立てば、更に上の学校に入学したり、就職したりで、新たな出逢いがある。
私は、酒と別れたら、沢山の断酒仲間と出逢うことが出来た。
この、奇跡、この、不思議、この、人生の妙。
昨年は、その出逢えた方々と、リアルにお会いすることが出来た。ネット上でやり取りした方と会って話す機会を持つことが出来るなどと、酒をやめた辛さからブログを書き始めた頃の私には、想像すら出来なかった。
飲酒に入学し、在学期間が長くて留年ばかりで中々卒業できない方。もう、とことん、飲酒については学んだはずで、今後は、どんなに飲んだところで、同じ学びの繰り返しに過ぎず、何も新しい出逢いはないだろう。
今のこの卒業シーズンに便乗して、酒から別れ、卒業してしまったらどうだろうか。私の酒からの別れと卒業は、奇しくも、3月の半ばで、ちょうど卒業シーズンに重なる。
来月にもまた新たな方とオフ会でお会いするのだが、酒との別れがなければ、決して出逢うことのない、素晴らしい方々である。もう、会う前から分かっているのである。
酒と別れることは、当初辛いと感ずるだろう。実際、それまで酒が悲しみを癒してくれたり、眠れぬ夜の友になってくれたりしていたわけで、それを断ってしまうことの不安は、途轍もなく大きい。
だが、酒を飲み続けることによる実害を考えるとき、別れざるを得ないことに納得出来るはずだ。後は、実行あるのみ。
その後、きっと、酒との別れが、全く新たで素晴らしい出逢いを連れて来てくれるはずだ。これは、酒を断った人には、等しく誰にでも訪れる奇跡である。
断酒の神様が引き合わせてくれるのだろうか。酒を断つことの妙味が、断酒仲間との出逢いなのである。飲み仲間と違って、断酒仲間は、温かい。ブルブル震える真冬の、ホッカイロのような、湯たんぽのような、そんな存在である。
あなたにもきっと訪れる。
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