先日のオフ会の時、会場の店へと上がるエレベーターの中で、
「のみすけさんて、星の王子さまの《呑み助》から取った名前ですか?」
と、しーちゃんに聞かれた。
私は、「星の王子さま」と作者の「サン=テグジュベリ」については、単なる知識として頭にあっただけで、その作品をこれまで読んだことがなかった。
それで、気になったので、図書館で借りて、読んでみた。岩波少年文庫版。どこで《呑み助》が出て来るのか、ワクワクしながら。子供の頃のようにワクワクする読書は、かなり久しぶりだ。
小説もとんとここ数年読んでおらず、なお更に普段読まない童話は、とても新鮮だ。グイグイと物語に引き込まれる。
読み進めて行くと・・・
おぉー、王子様が訪れた3番めの星で、出て来た!
《呑み助》
酒を飲むのが恥ずかしくて、それを隠すために酒を飲んでるのが、呑み助か!机の上に何本も酒瓶を並べて、頬を赤くして、ただただ酒を飲んでいるイラストが・・・かつての私ではないか。
この《呑み助》のところを読みながら、さて、では私は、何故酒を飲んでいたのだろうかと、考えたが・・・分からなかった。
フランス語の原文では呑み助は Le buveur(ルビベール)。buveurは、飲む人とか、酒飲みの意味。日本語訳にしたら、飲んだくれとか呑み助になるんだな。
呑み助は、恥ずかしさを隠すために飲むわけだが、その行為は、正に、やめられない酒の究極の堂々巡りを表現している。飲む→恥ずかしい→飲む→恥ずかしい・・・
星の王子さまに出て来る「呑み助」に興味があって読んでみたのだが、子供向けの童話と言うよりも、児童文学の体裁を借りた大人へのメッセージであり、随所にちりばめられている素晴らしい言葉が中々胸に残る。
「大切なものは、目に見えない」
これは、かなり有名なフレーズのようだ。
酒は、目に見える。それを飲んで、目に見えない大切なものを失う。
私がもうひとつ、ハッとした言葉は、一番最初に書かれている前書き、「レオン・ウェルトに」の中にある、
「おとなは、だれも、はじめは子供だった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」
大酒のみで、今は断酒している私も、はじめは子供だったんだな~。子供の頃は、輝いていたな~。毎日が楽しくて、毎日が新鮮だった。それがいつから、酒の力を借りて気分を高揚させるようになったのだろう。
誰の心にも、子供の頃の楽しい思い出が残っているだろう。誰だって、始めは子供だったのだ。
星の王子さまは、不思議な童話だ。大人が読むと子供の心が、子供が読むと大人の心が分かる。
私がハンドル名を《のみすけ》にしたのは、ブログ開設時にふと思いついただけで、まあ、強いて言えば、サザエさんで出て来るキャラクター《のりすけ》に響きが似ているので、そうしただけだが・・・これからは、星の王子さまの《のみすけ》にしようかな。
しーちゃん、星の王子さまを読むきっかけを与えてくれて、どうもありがとう!
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