『高機能アルコール依存症を理解する(セイラ・アレン・ベントン著/水澤都加佐 監訳 伊藤真理、会津亘、水澤寧子 訳)星和書店』〔副題:お酒で人生を棒に振る有能な人たち〕
Twitterで、この本を知って、地元の図書館にあったので、すぐに予約。
アルコール依存症の本は、人気がないので、すぐに手元に(笑)
今年(2018)の1月に出版された本。まだ新しい。
著者は、自分自身がアルコール依存症であり、今はアメリカはボストンで活躍する精神保健カウンセラー。
著者からのメッセージが、一番最初に載っており、こんなことが書かれている。
「私が本書を書いたのは、かつて私自身が断酒をする過程で、そしてまた、回復者として生活をしていくにあたって、必要としていたーーーしかし見つけられなかったーーー本だったからなのです。」
これは、私にとっても、同じだ。
必要としていたけれど、これまで見つけられなかった。
やっと見つかった!
そんな感じがする本だ。
アルコール依存症関連本の中では、内容的にかなり斬新である。
私が、オフ会やブログのコメント欄、そして、最近始めたネットを利用したオンラインのミーティングなどを通して、ずっと感じていた、集って下さる多くの方々についての疑問が、この本で氷解したと表現しても過言ではない。
私は、自分を含め、飲酒に問題を抱える人たち全てが、病名《アルコール依存症》ひとつで括られてしまうことに、とても違和感を持っていた。
酒害を抱える人は、個人個人同じようで違い、「《アルコール依存症》とは○○である」と、簡単に定義出来るような、ステレオタイプなものではない。
この本を読んでの結論を先に述べさせて頂くと、のみすけのブログの読者は、全ての方が、
《高機能アルコール依存症》
ではないだろうか、と思った。
さて、前置きが長くなってしまった。
では、《高機能アルコール依存症》とは?
アメリカの保健福祉省が2007年5月に発表したアルコール乱用やアルコール依存症の評価基準を満たす全米1800万人についての研究では、これの内のたったの9%だけが慢性的で深刻なアルコール依存症だとのこと。
即ち、たった9%の人々は、こんな感じだそうだ。
「年をとっていて、たいていは男性で、道に倒れ込み、(アルコールのボトルの入った)茶色い紙袋を握りしめている。」
この描写は、正に私が、自分の病を認める前に持っていた、アルコール依存症者そのものだ。
この本で取り上げている《高機能アルコール依存症者》とは、このようなステレオタイプなアルコール依存症者ではなく、学もあって、仕事もきちんとしていて、社会的には問題なく生活している人である。
アメリカのある専門家は、全アルコール依存症者のうち、90%が高機能アルコール依存症ではないかと、また別の専門家は、75%がそうではないかと推測しているそうだ。
日本でも、同じような割合で、高機能アルコール依存症者が存在していると、私は思う。 それは、これまでブログを通して知り合った方々から容易に類推出来る。
《高機能アルコール依存症》について、もっと知りたい方は、是非この本を読んで頂きたい。
本書の最後に、著者を救ってくれた、AAの12ステップについて、詳しく書かれている。
ハイヤーパワーと言うことで、神が出て来るので、神道、仏教などに慣れ親しんで、キリスト教と言えば、結婚式でにわかクリスチャンになるくらいしか馴染みがない日本人には、ちょっと距離を感じるかもしれない。
でも、AAの12ステップは、さすがに歴史がある。
実は、私はAAの12ステップにはとても違和感があったのだが、改めて読んでみたら、すっと腹に入った。
何だか不思議だ。
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