最近、ネットで断酒仲間と定期的に話しているけれど、これがおもしろい。
自分たちの断酒について、特にルールも無く、縦横無尽に話し合う。強いてルールを挙げるとすれば、相手を思い遣ることだけかな。
酒に逃げていた話で盛り上がった時に、メンバーからこんな発言があった。
『いつも「今から逃避するぞ!」って、逃げる宣言をして飲み始めてましたね。』
これは、聴いていて、良く分かった。私も、そうだったからだ。
空きっ腹に、クゥーーーッと、何でもいいからアルコール入り飲料を流し込むと、あら不思議、あの凹んでいた精神は、勢いよく、丸で釣り上げられて不満そうなフグのようにすぐに膨らむ。
この点、酒(アルコール)は、裏切らない。忠実にその薬効を示してくれる。
取り敢えず、確実に逃げることだけは出来る。しかも、物理的に身体をどこかへ運ぶ必要はなくて、自分の頭の中だけ、別空間へワープするのである。こんなにも簡便で合法的な逃避方法は他にあるまい。
コワいのは、人間の性として、ずっと逃げたまま、そのままで居たい、戻りたくない!と考える人がいて、その願望を満たすには、いつも酔っていなければならず、つまり、酒をずっと飲み続ける必要があること。
これが重症化すると、酒を切るためには、身体を酒から物理的に引き離すしかないので、入院措置が必要になる。
酒を利用した現実からの逃避は、アルコールが脳に作用している間だけ実現する。何故なら、酒を薬物として利用しているわけだから。
悲しいことに、酒を利用した逃避は、逃げても逃げきれないことが予め分かっている。
アルコールの力で、どこへ逃げようとも、自分の脳内からアルコールが去れば、現実に戻らざるを得ない。つまり、逃げても逃げきれない。
「あぁ、また辛い現実に戻って来た。もう、現実には耐えられない。また、アレを飲もう。」
逃げ癖が付いてしまうと、こんな感じで、酔いが醒めたら、またすぐに酒を飲む。逃げきれないことが分かっているのに、また逃げる。
酒に逃げても、酒はあなたを救ってはくれない。
飲み続け逃げ続けていても、逃げ切ることは絶対に出来ない。
酒に逃げずに、現実と向き合い、自分の力で問題に対処することが最善の道。
このようなことが、共に断酒を続ける仲間と話していて、分かる事である。似たような考え、似たような経験、似たような酒歴の人が結構いるものだ。
何でもありの断酒談義は、話の尽きることが無い。
逃げても逃げきれないなら、退路を断つ。つまり酒を断つ。これしか道はない。
追記(2018/6/26):のら猫たんのコメントで「逃げる」について、記述が片手落ちだったことに気付いた!つまり、「酒に」逃げる(into alcohol)か、「酒から」逃げる(from alcohol)か、同じ逃げるでも、結果は大違い。
酒に逃げても逃げきれないが、酒から逃げれば逃げきれる!
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