一度罹患すると、悪化の一途を辿るが、原因物質の摂取を断つことによって、回復する。
但し、回復への手掛かりとなる、本人の気付きは、それを得る人が少ない。気付きには、自分が病(アルコール依存症)であることの容認・受容が含まれることが多い。
医療機関で治療を受けた人の断酒率は、ある資料によれば、経過年度によらずざっくりと3割である。
別の資料によれば、入院治療を受けた人が退院後の2か月半の間に、その5割が再飲酒してしまう。1年断酒を継続出来たひとは、3割程度とのこと。
私がこれまで学んで来たところによれば、現実の断酒率は、もっと遥かに少ない。
自ら気付いて、その手段は色々あるにせよ、己に酒を断つことを強いて、それが生活の一部として定着している、アル中サバイバーの数は、極端に少ない。
何しろ、一度断酒が板に付いても、この世で生きている限り、誘惑が多い。それは、原因物質の飲料、酒が、国が認める、合法的な商品であるから。堂々と売られ、大人であれば、誰がどんなに飲んでもOKなのだ。
このような、飲酒礼賛の社会で、それまで浴びるように飲んでいた酒を断ち続けることの困難さは、それを実践しているものにしか分からない。
但し、断酒の継続は、最初の一年間ほどは中々に大変であるが、二年目からは、かなり楽になる。油断はならぬが、期間が長くなるほど、精神的には落ち着いて来る。
酒だらけの世の中で、酒なしの生活をエンジョイする我らは、アル中サバイバーなのだ。
あなたも私も、アル中を自認し、酒を飲まないでいることに、己の人生の意義を見出している。飲んでしまえば、元の飲んだくれに舞い戻ることが必定であることを、とことん理解している。
一度アルコール依存症で苦しんだ飲まないアル中は、アル中サバイバーとして、この酒だらけの世の中を生き抜く。
ひとりでアル中サバイバーを続けるよりも、アル中サバイバー同志が連携し、励まし合うことにより、その継続力は飛躍的に高まる。
アル中の原因物質はアルコール。
アルコールは、酒の主成分であり、人体には有害。
商品としての酒と、習慣としての飲酒によって、アル中は加速する。
アル中の進行を止めるのは簡単で、原因物質を身体に入れないようにするだけ。
これらのことを理解すると、断酒している自分が、アル中サバイバーであることが良く分かる。
いつも書くことだが、アル中の二つの形。即ち、飲み続けるアル中と、飲まないアル中。自分はどちらだろうと自問する。後者であれば、あなたも、立派なアル中サバイバーだ。
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