今宵もきっといる。酒に逃げている人がいる。
現実と向き合うのがイヤになると、手っ取り早く酒を飲んで、別世界へワープする。これを、酒に逃げると言う。
飲む量、飲み方にもよるが、アルコールが回って来ると、たった今イヤだったこと、苦しかったこと、悲しかったこと、怒っていたことなどの諸々が消え去り、気持ちが楽になる。
私も、かつて逃げていた。一番の効果覿面を感じたのは、怒りが爆発して自分を抑えられなくなった時だった。酒を飲むと、その心が一気に鎮まり楽になるのを感じた。
当時、酒は万能薬だと信じていた。特に精神的な面では、自分を助けてくれる相棒だと信じていた。いつだって酒は自分を裏切らないと信じていた。
これは、酒を信奉して止まない酒の亡者ならば、誰しも一理あるところだろう。
ところが・・・
酒に逃げると、酒から逃げられなくなるのだ。
これは例えるなら、恰も、道で暴漢に襲われて、逃げ込んだ先が、悪党の巣窟だったような、そんな感じだろうか。
せっかく逃げたのに、逃げた先で囚われてしまい、そこから逃げることが叶わなくなってしまう。
一度でも酒に逃げたことがあると、それに味を占め、何度でも逃げるようになる。そうこうしている内に、逃げた先の酒が、自分を捕えて離さないことに気付き、愕然とする。
気付いた人はまだマシだが、酒に囚われてしまったことに気付かない人もいる。これは、バビロン捕囚ならぬ、アルコール捕囚の状態である。
酒に逃げた人は、今度は、酒から逃げる算段が必要になる。酒から逃げようと企んで、あれこれ試しても、そう簡単にはその頸木から逃れることは出来ない。
酒から逃げようと、あれこれ試してうまくいかないのは、例えば、節酒、減酒、機会飲酒、禁酒などのように、酒を飲む前提の方法だからである。
たった一つだけの、確実に酒から逃げる方法、それは、断酒だ。これ以外には、酒から逃げるやり方は存在しない。
それが分かっているからこそ、うじうじと酒を飲み続ける人もいる。断酒したくないのである。つまり、酒と別れたくない。そのために、四の五のと理由をつけて、断酒を先延ばしにしたりする。
酒に逃げっぱなしでは、それで人生が終わってしまう。
酒から逃げることを考えよう。
酒の隙を突いて、酒から逃亡しよう。
酒から逃げたい人は、逃げる日を決めて、その日に酒を全部処分して、全速力で酒から遠ざかるのだ。
やることは簡単だが、精神的には非常にキツイことが予想される。極まれに、そんなに辛くない人もいるけれど・・・
さあ、酒から逃げる準備は出来ただろうか。
一緒に、酒からの逃亡生活を送ろう!
この逃亡生活は、板について来ると、中々に快適で、中々に楽しい。
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