今日は雨だったので、晴れた日の午前中、駅前広場に必ずいるアル中爺さんは不在だった。
こんな日は家で飲んでいるのかな？と思いつつ、その場所を通り過ぎたが、ふと、いつもここで午前中から酒盛りをしている２～３人のアル中爺さんが、元気そうに見えるのは何故だろうと考えた。
道行く人を眺めながら、高濃度アルコール缶酎ハイのロング缶を飲んでいる。喫煙禁止区域なのだが、そんなことは無視してタバコもぷかぷか。
顔は日焼けなのか、肝臓が悪いのか、どす黒い。
晴れた日は毎日お出ましになると言うことは、このアル中爺さんは、元気なのだろうか。元気なアル中？？
午前中から酒浸りになっているのだから、アル中に間違いないと思う。年齢的には７０代くらいの、その爺さんたちは、酒とタバコを持って、家から駅まで歩き、所定位置を陣取り、いつも酒を飲んでいるわけだ。
昼過ぎまでいて、夕方にはいなくなっている。帰宅して家で飲んでいるのか、早めに寝てしまうのかは知らない。
私がこれまで学んで来たアルコール依存症（アル中）患者は、酒を断たない限り、どんどん重症化して行き、そんなに長生きは出来ない。
更に、ある程度の年齢に達すれば、生きていても身体のどこかしらがアルコールにやられてヨレヨレになっている。
私が駅前で見かけるアル中爺さんは、毎日日課のように同じ場所に座り、同じ酒を飲んで、同じ顔で道行く人を眺めている。２～３人で談笑している時もある。
実は、アル中ではなくて、午前中だけ酒を飲み、後は飲まずに過ごしているヒトなのだろうか・・・とも考えて見たけれど、いやいや、そんなことはあるまい。
とすると、分類的には、元気なアル中と言うことになるのかな？
何れにしろ、朝から高濃度缶酎ハイを飲むなんて生活は、どう考えてもおかしい。が、老人になっても、そんなものを飲める体力がある人もいるんだなと、驚いている。
この朝から飲んでいるアル中爺さんくらいの年齢になった時、私はどんな生活をしているのだろう。
早朝散歩しているかな。
夫婦仲良く暮らしているかな。
周囲の酒飲みの同世代の人より若く見られるかな。
私は、酒を断ったので、７０代、８０代までもし生きていたとして、元気な酒を飲まないアル中爺さんでありたいな。
飲んでも飲まなくても、アル中であることには変わりがないので、ならば、飲まないアル中で、残りの人生を生きて、綺麗に枯れることが理想だ。
飲んだくれは誰だって、酒を断てば、元気な飲まないアル中になれる。
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