『夫の後始末(曽野綾子著/講談社)』
昨日、かみさんから、
「これ、読んでみて!」
と、渡された本。
本のタイトルを見て、え!夫の後始末って?!、と一瞬ぎょっとなったが、読み進む内に、ふむふむ、なるほど~、と、自分の来たるべき20年後くらいを思い浮かべた。
作家の曽野綾子さんが、夫の三浦朱門さんを自宅で介護し、看取るまでを主に書いてある。
書いてある内容が、そう遠くない未来に自分にも起こることなので、とても興味深く、気付いたら読み終わっていた。
三浦さんが患っている膠原病の一種、シェーグレン症候群について、おもしろい記述があったので、紹介しておく。
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膠原病というのは始末のいい病気で、最初に血液検査でその病名がわかった時、主治医から「この病気は薬がありません。医師もいません。一生治りません。ただしすぐには死にません」という明快な診断を受けた。
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これ、アルコール依存症も同じではないか。薬がない、医師もいない、一生治らない、ただしすぐには死なない。
さて、読み進むと、曽野さんと三浦さんとが、お互いほど良い距離を持って、長年夫婦仲良く暮らして来たことが垣間見え、私もかみさんとこんな風に過ごせたらいいなと思った。
もうひとつ、なるほど~、と参考になったのは、聖路加病院の日野原重明先生と曽野さんが対談した帰りに、人間の臨終を楽にする方法を教わったのだそうだ。
それは、胃瘻を作らないこと、気管切開をしないこと、多量の点滴による延命をしないこと、だったとのこと。
胃瘻は終わりの見えない戦いを開始することになるし、気管切開は、最後に家族と語る機能を失わせるし、点滴による過剰な輸液は、体細胞を溺死体のようにしてしまう。
なるほどなるほど!
最後に、この本で私がとても感動したこと。
最後の方に書かれているが、夫の三浦さんが亡くなった後、曽野さんがご自分に禁じたのが、酒であるとの個所。
曽野さんは、普段から殆ど酒を飲む人ではないそうなので、私のような飲んだくれが自分に酒を禁ずるのとは訳が違うけれども。
曽野さんの知り合いに、配偶者を失ってから、かなりの飲酒癖のついてしまった女性が何人かいたのだそうだ。
この本を執筆されたときの曽野さんは、85歳。それで、この年になったら、飲酒が原因でいつ死んでもいいのだけれど、脳の血管障害などになって、人に迷惑をかけたくない、と書かれている。
良い本なので、みなさんも読んでみて下さいな!
P.S.
遅れ馳せながら、のら猫たんの断酒2周年達成おめでとう!!
断酒以来毎日のコメント参戦、中々出来ることではありません。
今後とも、断酒に精進されたし!
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