生きていると、嬉しいこと楽しいこともあるけれど、嫌なこともある。
大きいか小さいかの違いはあるが、一日に何度か楽しかったり、嫌だったりを経験する。それに伴って、感情も起伏する。
嫌なことが目の前に立ちふさがり、真正面から突破するのが難儀な時、手っ取り早くそこから逃げるのには、酒が打ってつけである。
やぶれかぶれで酒を呷る人もいる。
私にも経験がある。
ええい!もうどうにでもなれ!
そんな感情で、酒を飲むのは、現実逃避しているのだ。
いとも簡単に現実から逃避出来てしまうのが、酒が重宝がられる由縁だろう。我が日本では、僅か数百円あれば、コンビニでもどこでも、ほぼ24時間酒が買える。買えるか買えないかの条件は、二十歳以上かどうか、それだけ。
見方を変えるならば、国が認めている合法麻薬を、いつでも購入して、摂取して良いのである。この、酒(アルコール)に関して、恐ろしいほどにユルユルな世の中は、アル中には天国かもしれない。
ただ、酒による逃避は、酔いが醒めることによって、必ず現実に引き戻される。逃避したまま帰って来ない人は、もはやアル中である。
運よく酔いから醒めて、ふと気付いても、何も問題は解決していない。
人や仕事や問題から逃げるために、酒を飲む。少量では意味が無く、大量に飲む。酔いが回り、脳の思考が停止すると、悩みが一時的に吹っ飛ぶ。
これがどれほど恐ろしいことかは、身を持って体験しているので、私には良く分かる。酒は何もしてくれない。どころか、問題がこじれて、悪い方向へと転がっていたりする。
更に悪化した問題を直視出来ず、また、酒に逃げる。悪循環が堂々巡りする。こうなると、ようこそ、アル中の世界へ!と言うことで、24時間酒を飲むようになっているかもしれない。
逃避先として酒を選んでしまった場合、逃避し続けるためには、酒を飲み続けなければならない。
酒を飲むためには、まことに便利に出来た世の中で、24時間いつだって買うことが可能である。この辺り、手軽すぎて、唖然とする。
酒に逃げた人は、今度は酒から逃げなければならなくなる。逃げた先の酒が、自分を24時間追いかけて来るようになるからだ。
振り払っても振り払っても、酒が追いすがって来る。オレを飲んでくれと、酒が目の前に立ちふさがる。自分が飲んでいたはずの酒に飲まれてしまうのである。
そういうわけで、どんなことがあっても、酒を逃避先に選んではいけない。酒に逃げた人は、酒から逃げられなくなる。
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