私の家の近所に一か所、行政が定めた喫煙所がある。
平日、休日の時間帯を問わず、そこには必ず何人かの人がたむろしてモクモクと煙を吸っては吐き出している。
私は道路の、その喫煙所が設置されている側を通り過ぎる時、臭くて敵わないので、反対側へ渡るか、時間がある時は、わざわざ迂回している。
かつて日に3箱は吸うヘビースモーカーだったのに、今では人生の最初から喫煙などしたことのない人よりも、タバコの煙は大の大の大嫌いである。
私の酒嫌いのレベルは、この、嫌煙のレベルに限りなく近づいている。
かつては毎晩のように正体を無くすまで酒を飲んでいた男が、今では酒そのものも、酒を飲んでいる人を見るのも、嫌で嫌で仕方ないのだ。
タバコに話を戻すと、喫煙者にも色々いる。歩きタバコをする人に比べれば、喫煙所で吸う人のほうが、マナーを守っている。
けれども、マナー問題は置いておくとして、タバコを手放せない人は、タバコに囚われてしまった人であることは間違いない。
同じように、酒を手放せない人は、酒に囚われてしまった人である。
私はかつて、酒とタバコ双方に同時に囚われていた。順番として、先ずタバコから解放され、次いで酒から解放された。
私が酒をやめた年、子供たちは中学生だったが、何かの時に、自分の父親がタバコと酒を両方やめたことを、学校の保健体育の先生に話したことがあったそうだ。
すると、先生、目玉を飛び出さんばかりに驚かれ、
「どちらかひとつやめるのも大変なのに、両方やめたってのは、凄いね、お父さん!」
とおっしゃったそうだ。
その頃、禁煙は始めてから8年くらい経っていたので、安定していたが、断酒についてはまだまだ心がフラフラとして、危なっかしいことこの上なかった。
タバコと酒を両方やめることが、学校の先生がそんなに驚くほどのことなのかと、私自身が驚き、断酒の糧になったことは間違いない。
先にやめていたタバコの経験が、断酒に役に立ったことも間違いない。
今振り返ると、禁煙と断酒の、それは私にとって嫌煙と嫌酒の相乗効果だったのだ。
もし、飲酒と喫煙をされているなら、どちらか一方を断つより、両方断つのがよろしい。
もちろん、同時にやめなくても良く、私のように、どちらかが安定したら、もう一方を断つことにするのも良い。
私の場合、断つとタバコは嫌いになり、酒も嫌いになった。
タバコを吸っている人を見ると、あんなもの(ニコチン)に囚われているのか、と気の毒になる。
酒を飲んでいる人を見ると、あんなもの(アルコール)に囚われているのか、と気の毒になる。
ニコチン(たばこ)とアルコール(酒)、この二種類の薬物から解放され、自由になったことが、とても嬉しい。
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