今からひと月前の、先月(10月)の下旬だったが、ある女性(Aさん)からメールを頂いた。
ご主人(Bさん)の飲酒についての相談で、内容は概略、次のようなものだった。
Bさんは、酒関連の会社で働いており、仕事中に飲酒してしまうこともある。本人は、自分のアルコール依存症については、ある程度自覚しており、医療機関への受診をしたこともあるし、自助の会へも通ったり、通わなかったりを繰り返している。
Bさんは自分の酒に問題があることは分かっており、Aさんの手前、表向き断酒しているようだが、実は、隠れて飲んでいるらしい。
その現場を、たまたま見つけてしまったAさんは、ひと言、「飲んでるでしょ?」と言ってしまったことにより、更にギクシャクしてしまったとのこと。
断酒したいなら、職場を変わり、酒のないところで働くのが、先ずは取るべき行動だろうと、事情を知らない人は思うだろう。
けれども、年齢的なこと、そして住んでいる地域的な事情で、そう簡単には一家を養えるほどの収入を得られる仕事は、他には見つからないのだそうだ。
Aさんのやきもきする感情、Bさんの分かっちゃいるけどやめらない酒。これらは、文章を読んでいて、手に取るように理解出来、私の心に響いた。
だが、こうしたらいいですよ、こうしてみて下さい、これを試して下さい、のようなアドバイスが、私には出来なかった。
答えが見つからなかったのだ。
ある程度本人が自覚しているので、そこから先は回復へと進みそうな感じがするのだが、このようなケースでは、ずるずると酒を飲み続けてしまうことが多い。
私がずっと読んでいたブログで、ご主人がアルコール依存症で、奥様がそれの面倒を見て、共依存になっていたものがあった。ブログは奥様が書かれていた。結局、ご主人は、入退院を繰り返し、アルコールが原因の様々な病気を発症し、亡くなってしまった。
自分がアルコール依存症であることを自覚しつつも、きっぱりと断酒できずにずるずると飲み続けて、結果的には亡くなってしまった。
アルコール依存症は否認の病と言われるが、自分の病を自覚していても、きっぱりと断酒する決心を本人がしない限りは、回復へと進まないのだ。
自分の飲酒問題を自覚して、きっぱりと断酒する決心をした人が、断酒するなら、いくらでも応援することは出来る。この場合、その人が途中で何度かスリップしても、必ず断酒はうまく行くと思う。
が、自分の飲酒問題の自覚も、断酒の決意も、中途半端で生ぬるい場合、ずるずると飲み続けてしまう。
このような人に、きっぱりと断酒の決意をしもらうことは出来るのだろうか。
答えはみつからない・・・
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