台風１５号の接近と通過に伴い、深夜から早朝にかけて、風雨が強まった。
飲んだくれ時代ならば、酔っ払っている内に過ぎ去った事象だろうが、今の２４時間いつでも素面の私には、台風の動きが逐一気になる。
幸いにして、どうやら、私の住む地域では、大した被害も無かった。ただ他の地域では、停電したところがかなりの広範囲に及んだようだ。
さて、本日の夕方のこと、台風一過の、うだるような暑さの中、私は街中を歩いていた。
すると鼻腔に、プーーーンと、懐かしい香りが・・・
焦げたような、油臭いような、香ばしいような、それは、焼き鳥の匂いだった。
あ～。随分と長い間食べてないな～。と、そんなことを思うと、脳裏には、次から次へと、飲んだくれ時代に食べていた、酒のつまみが浮かんでは消えた。
一々挙げないが、それらのひとつひとつは、酒を断って以来、口にしていないものが殆どだ。
私が飲んだくれ時代に食べていた酒のつまみは、居酒屋や焼き鳥屋、立ち飲み屋では定番であっても、ご飯のおかずとは一線を画している。
酒のつまみとご飯のおかずは、似ているけれど、違う。中には、共通するものもあるけれど。
今では衛生上の問題で提供が禁止されてしまった、牛や豚のレバ刺しなどは、ご飯のおかずにはならない。あれでご飯を食べるのを想像すると、ちょっと気持ち悪い。
飲んだくれ時代、私は好んでレバ刺しを食べた。ビールや焼酎のつまみにはぴったりだった。
魚介類の刺身も、酒をやめてからあまり食べなくなった。極たまに寿司屋へ行って食べるくらいか。
こうして考えて見ると、酒そのものが身体に良くないだけでなく、酒のつまみも、味が濃く、野菜類が少なくて、健康的とは言えないような気がするが、どうだろうか。
酒のつまみは、塩分が強めで、それによって、飲酒欲を刺激しているのではないか。
私は昔から朝は食べずに、昼も食べたり食べなかったりの、夜だけちゃんと食べる食生活である。
酒を断って以来、夜だけは、殆ど家で食べている。野菜、肉、魚など買って来て、私かかみさんが、適当ではあるけれど、手作りしている。
ご飯をおいしく食べるためのおかずは、食べて美味いだけでなく、健康的で、バランスの良いものを、考え、工夫する。
酒のつまみは、如何に酒をうまく飲めるか、それをつまんでキューっと酒を飲むと、どれだけ酒がうまいか、それが肝要なのだ。
酒のつまみとご飯のおかずだが、こうして考えて見ると、似ているようで、実は随分と違うことが分かる。
飲んだくれ時代に食べていた酒のつまみは、今や、懐かしいだけで、食べたいとは思わない。
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