梅雨らしい、雨の一日だった。
雨の降る時期なので、朝から当たり前に空から落ちて来る雨粒に、ほっとする。
酒を飲んでいた頃、今日のような朝から雨の日には、我が身体の、あちこちの古傷が痛んだものだった。
私の身体には、幼児の頃のいくつかの大きな傷跡の他に、病気による手術跡がいくつもある。
特に、50年以上も前の、牛乳瓶の破片で切った左手の掌の大きな傷は、今日のような日には、何とも言えない痛みを帯びて、忘れていた怪我の記憶を、否が応でも思い出させた。
何故か知らぬが、酒を断って以来、今日のような日や、季節の変わり目に、古傷が痛むことがなくなった。飲酒と古傷と、どんな関係があるのか知らぬが、これも断酒の効果なのか。
痛みと言えば、先日、子供が小学校の頃のPTA活動で知り合った、私と同年齢の方(Aさん)に、1年ぶりくらいに、バッタリと会った。
近所の店で、買い物をしていた時のことだったが、店内で話すには狭いので、会計を済ませてから、外で少し立ち話をした。
Aさんの歩き方がぎこちないので、
「足、どうかされたんですか?」と聞いてみた。
Aさん:「ええ、膝がちょっと・・・」と、ズボンをめくって、サポーターを見せてくれる。
のみすけ:「あれ、左膝ですね」
A:「右もなんですよ」
の:「両膝ですか!どうされましたか?」
A:「変形性膝関節症です。膝に水がたまって、たまに抜いてもらってます」
の:「痛みもあるんですか?」
A:「ええ、痛いんですよ。痛み止め飲んでます」
の:「両膝だと、歩くのも大変ですね」
A:「医者には、これ以上悪化したら、人工関節にするしかないと言われてます」
Aさんとは、私の断酒前、深夜までへべれけに飲む仲だったので、長期間会ってなくても、会話は普通に弾んだ。
そしてAさんは、今でも毎晩飲酒を続けている。
膝関節症について、帰宅してから調べてみたら、飲酒は禁忌であって、アルコールによって悪化すると書かれていた。
聡明なAさんのことだから、大好きな酒が、実は膝関節症には良くないことを知っているはずなのに、酒を飲み続けるのは、単にやめられないからだと思う。
身体に悪いもの(酒・アルコール)を摂取して、更に身体を悪くして、その症状を和らげるために別の悪いもの(薬)を服用する。
毒(対象薬)を以って毒(アルコール)を制しようとしているわけだが、先ずはアルコール毒である酒を断つことの方が先決ではないのか。
私は心の中でAさんに、
「それでも、まだ酒を飲むの⁈」と、問いかけていた。
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