昨日の記事を書いた後、酒無し家族の風景を描写してみたいと思った。
私が子供の頃は、酒有り家族であった。夕餉には必ず酒があった。その頃の私の家では、父ではなく、母が毎日酒を飲んでいたのだけれど。
昭和の、どこにでもあった夕餉の風景。アニメのサザエさんの食卓を思い浮かべて頂くと分かり易い。磯野家では、波平とマスオがいつも楽し気に晩酌をしている。
アニメでは、波平やマスオ、或いはノリスケが、仕事帰りに飲み過ぎて、へべれけになって遅くに帰宅する場面も描かれる。
昭和から平成を経て令和となった今、酒の有り無しを問わず、家族が一緒に夕餉を囲む風景が失われつつある。家族の構成員それぞれの日常が、時間に追われ、バラバラになって来ている。
さて、私の断酒前の我が家では、毎晩、私が酒を飲んでいた。酒有りが当たり前の、我が家の夕餉であった。
そんな我が家だが、私が断酒して以来、酒無し家族になった。変わったのは、私ただ一人。わたし以外の人間は皆、何も変わらぬように見えるが、実は、私が変わったことにより、変わった。 明るくなった。
我が家の、酒の無い夕食は実にシンプルである。夕食に掛かる時間も短い。家族皆がそれぞれの濃密な時間を過ごすことが出来る。
料理のあれこれを作る時間が掛かる割りには、食べるのはあっという間だが、それもまた楽しい。
かつて、私一人が飲んだくれていた頃。私の家族の夕食の時間は、私一人のせいで、異様な光景になっていた。家族はそそくさと食事を終わらせるが、私一人だけ、酒を飲み続けるのであった。
それは、いつ終わるとも知れぬだらだらした時間。テーブルの上は、私一人のために、中々片付くことがなく、散らかったまま。コップが空いたかと思えば、注ぎ足し、また空いたかと思えば、注ぎ足し・・・の有り様。
その内に、静かになったかと思えば、当の飲んだくれの私は、食卓に突っ伏して寝てしまっていたり。飲んだくれ一人がいるだけで、全く始末に負えない。まあ、豹変し家族に暴力を振るったりしなかっただけ良かったが。
このように、酒有り家族と、酒無し家族の風景は、アルコールが介在するかどうかによって、全くもって趣を異にすることが分かる。
我が家では、子供たちが既に成人し、家から巣立つ日も近い。彼らは、酒無しの日々を身に付けたので、私は安心している。
将来、彼らはきっと、酒無し家族を作ってくれるだろうと確信している。
最初から酒無しの平和な家庭。素晴らしいことだ。
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