夜半、いつの間にか雨になって涼しくなった。
日中、ぎらぎらと太陽に照らされて、熱気を帯びたまま日が暮れたので、暑かったのだが、雨で冷やされて、涼しい風が吹いてきた。
9月も下旬ともなると、残暑で暑くなることがあっても、もう秋。明日は秋分の日。
今年も、夏が終わろうとしている。
秋風が吹き、秋の虫の音が耳に響き、ひと夏を越えたなと感じる頃になるといつも、自分の断酒初年度の頃が鮮明に思い出される。
ひと夏を越えた達成感。これは大きかった。
誰もかれも断酒人はみな同じではなかろうが、私の場合、初年度の夏が一番苦しく辛かった。果たしてこの夏を無事に越えられるのだろうか。果てしなく長い峠道を歩き続けているような感覚だった。
何度も言及していることだが、暑い日にコンビニへ涼みに入った折り、冷えた炭酸系アルコール飲料がずらりと並んだ棚へと足が向かい、その内の1本を手に取り、呻吟したことがあった。
(これをレジに持って行けば・・・たったの百数十円払えば・・・買って一気に飲んでしまえば・・・)
(いやいやいかん!これを1本買って飲むことは、断酒の中断だし、1本で済むわけがなくて、元の飲んだくれに戻るだけだ!)
このような葛藤が、あのひと夏の間に数度あった。その度に、私の心の中で、断酒を継続する人と、悪魔の囁きに屈服しようとする人が、激しく闘った。闘いの初めは、両者白熱しており、優劣を付け難いくらい。
冷たい缶飲料を手に持った時間は、傍から見れば数十秒かもしれないが、それを見詰める私の頭の中では、実に凄まじい闘いが繰り広げられていたのだ。
断酒初年度の夏、私は自分の断酒の闘い《夏の陣》に勝利した。
秋風を肌で感じた時、自らが酒を一滴も飲まなかったことを誇りに思った。やっと終わった暑い夏、飲みたい心との熱いバトルを繰り広げた夏。それが、思い出になった瞬間だった。
断酒初年度から数年間、ブログのアクセス数が増えて行くことに喜びを感じることで、断酒の辛さを紛らわせていたのかもしれない。自分と同じ酒に問題を抱える人、断酒したばかりの人、既に断酒が安定している人など、多くの人の目に自分の文章が触れているようだった。
断酒に情熱を燃やしていた頃は、今よりもずっと読者の数が多かったようだ。その頃(断酒開始~数年)は私の断酒に勢いがあった。
今は、日々のアクセス数を気にすることもなくなった。ただ淡々と、自分の決めた10年のゴールへ向かって、日々断酒ブログの更新を続けている。
今夏が断酒初年度の夏だった方。
あなたの断酒は夏を越えただろうか。
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