酒は、断ってからまだ2年に満たぬが、かつて、日に3箱を吸っていたヘビースモーカーだった私が禁煙してから、はや9年目を迎えた。
喫煙に関しては、もう、タバコそのものに対する思いが枯れてしまい、嫌煙派に転じている。道で擦れ違う人が歩きタバコなどしていようものなら、その煙を吸わぬ為に、反対側の通りへ移動してしまうくらいになった。
ただ、最近、街中や駅の近くで、ぎょっとする光景を目にすることが多くなった。それは、私が喫煙していた頃には無かったもの。「分煙」の名の下、パーティションで仕切られた喫煙所である。
丸で動物園の中の、「喫煙者」という動物を囲っている檻のようにも見える。嫌煙・分煙と言う流れの中で、タバコを吸う人は、あの檻の中へ自ら入り、紫煙を燻らすわけである。
喫煙やタバコを擁護しようと言うわけではない。酒と比較してみると、タバコがあまりにも極悪非道な扱いになっているので、かつて優雅に(?)喫煙していた者としては、とても気になっているのだ。
国からしたら、タバコも重要な税の財源なのに、なぜあそこまで喫煙者を虐げるのだろうか。一体どちらの方が害があり、社会的損失が大きいのだろうか。
タバコに関して害を考えると、
・タバコの火の不始末で火災が起きることがある。
・喫煙者本人が肺癌やらCOPDやらその他の病気に罹患する可能性が高まる。
・タバコの煙は空中を漂うので、吸わない人・吸いたくない人が受動喫煙の迷惑を被る。
・吸殻ポイ捨てで、街が汚れる
このぐらいだろうか。
酒に関しては、これまで散々ブログでその害を取り上げて来たので、ここに羅列することはしない。
誰でも気軽に入手できて、依存症になりうるもののツートップの、タバコと酒ではあるが、何故にここまで扱いが違うのだろうか。
私は鉄道を毎日利用している。売店では、酒もタバコも売られている。が、買ってすぐに、どこでも楽しめる酒と、喫煙場所が厳しく制限されているタバコには大きな違いがある。
酒は、ホームだろうと、電車内だろうと、どこで飲んでも眉をひそめる人はいても、咎められることはない。一方、タバコは、買ったとしても、ポケットやカバンに仕舞うだけで、吸いたくても、場所がない。
両方ともやめてしまった私からすると、酒の害の方が、どう考えてもタバコより大きいと考える。百歩譲って、酒の害とタバコの害がイコール(同等)だとしてみても、なぜにタバコばかりが・・・?
・喫煙のし過ぎで、ニコチンに酔って車を運転し、人に危害を加えるだろうか。
・前日喫煙しすぎて、今日は会社に行けないなんてあるだろうか。
・タバコを吸いすぎて、記憶を失くしてしまったなんてあるだろうか。
飲酒者を囲い込むわけには行かないだろうが、もう少しこの野放しの飲酒礼賛社会を何とかしようという気運が盛り上がっても良いのになあ。
師走の街を、あっちこっちに三三五五、酔っ払いが群れていたり、電車の中で、騒いだり、寝てしまったり、自分と同世代のおっさんたちが、繰り広げるアルコールに毒された光景は、今の私には正視に耐えない。
その点、囲われた空間で、ひと時の紫煙を楽しむ喫煙者たちは、何だか切ないけれど、健気に映るのだ。
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