今日の午前11時頃だった。
山手線の某駅のホームの端のほうで、30代くらいの男性が、体育座りで、顔は両膝の間に埋めて、じっと動かない。足元には、濁った水たまりが出来ている。その上にはちょうど顔があるから...
かばんとか、リュックとか、そう言った物が近くには無くて、手ぶらのようだが、元々手ぶらだったのか、どこかで紛失したのか、はたまた盗まれたのか。
いつからあんな不自然な姿でホームに座っていたのか知らないが、前夜酒を飲み過ぎたことは間違いないと思う。
飲み過ぎた日の翌日の辛さは、自分が何度も経験しているので、分かり過ぎるほど分かる。腰が抜けて力が入らず、気持ちが悪い上に頭痛もして、動けないのだ。
その、動けない人は、ちょうど柱を背にして、通路の真ん中に行儀よく(?)体育座りをしているので、通行する人を邪魔することもなく、ただひたすら苦痛に耐えていたのか、ただ眠っていたのか。足早に通り過ぎる人たちの殆どは、この男性に気付かないようだった。
私もちょっとだけ観察して通り過ぎたが、その異様な姿から、酒の恐ろしさを頭に叩き込んで、断酒の糧とした。
酒害の中でも、この男性のように、飲み過ぎて自分の一日を台無しにしてしまうだけなら、まだ良い方かもしれない。きっと、辛い心の中では、もう二度と酒なんか飲まない!と強く思っていることだろう。
でも、不思議なことに、どんなに辛い目に遭っても、アルコールが抜けて、身体が楽になって来ると、あれほど強く思っていた、「もう二度と酒なんか飲まない!」の気持ちがどこかへ消えてしまう。これも、私の経験なので、良く分かる。
今日の昼前に駅で見た酒にやられた人は、
実は、若い頃の私だったのかもしれない。
実は、酒を飲み続けた私だったのかもしれない。
実は、酒をやめてなかったパラレルワールドの私だったのかもしれない。
そう考えると、やっぱりゾッとする光景だった。
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