人が継続的にやる気を出すのは、どんな時か。
継続的にやる気を出すとは、つまり、やると決めたことを、能動的に毎日続けてやると言う事である。
アルコール依存症とは何の関係も無い本だが、今読んでいる本、
『どうせ死ぬのになぜ生きるのか 晴れやかな日々を送るための仏教心理学講義(名越康文著/PHP新書)』
に、とても興味深いことが書いてあった。
(因みに、この本の著者は、精神科医である。お坊さんではない。)
「プラスアルファの動機」で人は動かない。例えばハウツー本を買っただけでは、何も変わらない。それは、本に原因があるのではなくて、多くの人は、その本に書かれたことをそのとおりにやらないから。
著者の、精神科医としての経験に照らしても、「プラスアルファの実利」だけが目的では、人は行動を変えないそうだ。
では、人が継続的にやる気を出すのは、一体どんな時か。と言うと、それは、「本能レベルでの自発性」が刺激された時だそうだ。この「自発性」が難しい。「やらなきゃ」とか「やるぞ」と言葉で表現出来るような気持ちではなくて、もっと強い、本能的な衝動のこと。
どれほど魅力的に思えるものでも、それが他人から押し付けられたのであれば、拒否することがある。つまり、「プラスアルファの実利」を他人や、本から押し付けられた瞬間、私たちは無意識の内にそれを拒絶している、と著者は言う。
ここが、私の腑に落ちた箇所だ。自分以外の人間(家族でも、友人でも)に、酒は身体に良くないからやめなさい、と言われても、絶対に聞かないものねー(笑)
酒を断つのには、本人の自発的な動機付けが必要である。それは、酒をやめれば、○○とか△△とかの良いことがある。だからやめよう、と言うのとは全く違う。本人の、止むに止まれぬ、もう二進も三進も行かなくなった、どん詰まりの状態での、「断つ」決断が必要なのである。
更に著者は、自論を展開する。
人の自発性を刺激するのは、「マイナスを埋めたい」と言う願いだけ。「劣等感や挫折感をなんとか解消したい」と切に願ったときに、自らの自発性に火がつく。このときに生じた「やる気」には、継続性が伴うそうだ。
これも、自分の経験に照らして、実にそのとおりだと思った。私は、自分の飲酒問題と言うマイナスを、何としても埋めたかった。それには、酒を断つしかなかった。そして、そのやる気を、ここまで何とか継続出来た。
私がブログを書きだした最初の年は、酒をやめるとこんなに良いことがある、と、断酒の効用をつらつらと書いたものだが、実は、それらは、断酒継続のオマケで漏れなくツイテ来るものであって、断酒の本質ではなかった。
それが、この本を読んで理解出来た。
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