今日タイトルにした「困難だけど簡単な断酒」は、大阪オフ会で感じたこと。
話の流れの中で、
「酒を断ったのは良いけれど、未練が残っていて困る！」
と訴える断酒８か月のＡさんが、自分の心境を、飾ることなく吐露した。（オフ会の記事にコメント下さっているので、Ａさんは誰か、分かる人は分かるかな～）
それを聞きつつ、自分の経験からその方に親身なアドバイスをする仲間の瞳が、キラキラと輝いている。その仲間の中に私もいたので、私の瞳もキラキラしていたことは間違いない。
私を含め、Ａさんの近くにいて、助言していた仲間の思いは、全く同じだった。
「酒なんて要らないんだよ、人生に酒なんて全く必要ないんだよ、いや寧ろ、酒なんて無い方がいいんだよ」
これをどう表現すれば分かってもらえるのだろうと、手を替え品を替え、寄ってたかって、Ａさんに説明を試みた。自分たちが気付いたことをＡさんにも分かって欲しくて、真剣に真意を伝えた。
今思い返してみると、この時の光景と雰囲気は、何だか新興宗教とかマルチ商法の勧誘に良く似ていたような気がする。ひとりの人を取り囲んで、自分たちの側に引っ張り込もうと躍起になっている何人かの狂信者のような（笑）
尤も、狂信とは、理性や正常な判断力を失い、ある特定の観念や何かを強烈に信仰することなので、断酒には当たっていないけれど・・・断酒は、理性と正常な判断力の上で決断し実践している。
本当の意味の狂信者たちの未信者の勧誘は、教祖や自分たちが儲かるから、自分たちの輪に入れと熱心に勧めるのであって、断酒の真意について語る私たちには、自分たちが何か得しようとか、利益を得ようなどの気持ちはこれっぽちもないのである。
自分たちが気付いて実践している断酒生活が、この上も無く、途轍もなく、心地良いので、それを他の人にも教えたい、伝えたい、分かってもらいたい。たったこれだけの気持ちなのだ。
結果的に私たちの熱意は伝わって、オフ会の終わる頃、Ａさんは腑に落ちたとおっしゃった。
困難だけど簡単とは、断酒の真意が分かるまでは、酒を飲まない生活が困難であり、我慢の断酒になってしまうが、一度ストンと気付き分かってしまえば、我慢の断酒から抜けて、それまでの未練をポイッと捨て去ることが出来ると言うこと。
オフ会に集った仲間の多くは、気付きを経て、断酒の真意を自分のものにしていた。だから、発言にもブレは無かった。
但し、この一番の勘所だが、本人に気付いてもらうしかなく、いくら懇切丁寧に説明しても、伝わらない。気付きのヒントだけは、いくらでも提供出来るのだが。
この辺り、次の三つの禅の言葉の様である。
《不立文字（ふりゅうもんじ）》
→悟りは、言葉や文字では表せない。
《教外別伝（きょうげべつでん）》
→悟りは、言葉や文字では伝えられるものではなく、心から心へ直接伝えられるもの。
《以心伝心（いしんでんしん）》
→言葉によらずに、互いの心から心に伝えること。
最初は酒の害悪を良く調べ、自分にとっての酒とは何なのかをきちんと把握し、酒を嫌いになってしまうのが一番手っ取り早い。断酒に慣れて来ると、当初思っていたことが違っていたことに気付くだろう。
☆最初の頃：
何故、世の中に酒なんてあるんだ！こんなものがあるから、自分は飲み過ぎてしまったんじゃないか！酒が悪い！酒がいけない！自分は悪くない！
☆分かってみれば：
本当は、酒が悪いのではなくて、それを飲んでいた自分が悪かったのだと。酒に罪は無い、自分に非があっただけだと。
つまり、酒に関わらず、身体に悪いもの（食物、飲料、習慣）はこの世に沢山あるわけで、一々それらに対して憤っても、それら毒物や悪い習慣は無くならない。自分がそれら毒物から遠ざかれば良いだけなのだ。
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