若い頃は熱心に小説を読んだものだったが、今の私の読書は、ノンフィクションが多い。
youtubeでも、ドキュメンタリーを観ることが多い。
最近観たyoutubeのドキュメンタリーで知った、末期がん患者の看取り医師・田中雅博先生。内科の医師であり、かつ僧侶でもある。残念ながら、今年(2017)の3月に逝去された。
この田中先生は、元々は、国立がんセンターで、末期がんの患者を担当する内科の医師だった。が、患者から、「死ぬのがこわい」「死にたくない」「どうにかしてほしい」と言われても、薬とか手術では治せないことで、医療の限界を知り、実家が寺であったこともあり、僧侶の修行をして資格を取ったそうだ。
そして、ご自身が、末期のすい臓がんに侵されていることを、3年前に知ったとのこと。当時余命は数か月と診断された。
本も執筆されている。
『いのちの苦しみは消える: 医師で僧侶で末期がんの私(田中雅博[著]/小学館)』
今日、私はそれを読んで、youtubeで語られていた内容と合わせて、なるほどと腑に落ちたことがある。
この田中先生ご自身がそうであり、かつ普及に努めていた、西洋ではチャプレンと呼ばれ、日本ではまだあまり聞かない、臨床宗教師、臨床仏教師。治療をしても命が助かる見込みのない患者に寄り添って、話を聞いてあげる。
本にも書かれていたし、youtubeの番組の中でも出て来た、臨床宗教師の役割とは・・・
患者の「語り」を傾聴(理解・共感・受容)する。
患者自身が本人の人生に価値を見出す手伝いをする。
患者自身が自分の人生の物語を完成させる手伝いをする。
患者自身のあらゆる宗教に対応する。
無宗教にも対応する。
自分自身の宗教の布教をしない。
この態度は自己執着を空にする般若心経に共通し、お釈迦様以来の仏教本来の姿。
田中先生が、テレビの取材者に対して、
「誰にも相手にされなかったら、こんなに寂しいことはないんじゃないですか」
と答える場面があったが、断酒に於いても同じだなぁ~と思った。
断酒erの「語り」を傾聴(理解・共感・受容)し、断酒er自身が本人の断酒に価値を見出し、自分の断酒の物語を完成させる手伝いが出来たら楽しそうだな。
私はブログを通して自分の断酒物語を書き綴り、多くの人に読んでもらった。これは、私の心にカタルシスをもたらした。書けば書くほど、気持ちが楽になった。
断酒している人は、ただ酒を断っているだけではない。ひとり一人、自分の断酒物語があるはずだ。
私も自分の断酒物語を持ち、あなたもご自身の断酒物語を持っている。それをお互いに語り合い、 傾聴(理解・共感・受容)すれば、お互いの断酒に価値を見出し、お互いの断酒の物語を進展させることが出来そうだなあ。
最後に、私が観たyoutubeを紹介しておく。
医師である田中先生は、普通に酒を楽しんでいらっしゃる・・・
この番組では、段々と病気が進行し、最期を迎えるところまでカメラが回る。
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