先日、散歩の途中、ふと川を見遣ると、鯉が悠然と泳いでいた。
足を停めて、暫くその姿を見ていた。
その時、あまりにも突拍子もない想像が浮かんだ。この川の水が酒で、泳いでいるのがかつての大酒飲みの自分。
酒の水の中にいる分には快適。いつまでも、泳いでいたい。あのころの自分は、酒の中で溺れかけても、家族や周囲のお陰で、生きのびてきた。ちょっと丘に上がって、酒から離れても、又すぐに酒の流れに飛び込み、泳ぐ。
タバコも同様。一日二箱くらい喫煙していた頃は、ニコチンの川にざぶーんと浸かって、泳いでいた。まー、タバコの場合、火の扱いと、周囲の迷惑に注意さえすれば、どんなにヘビーに喫煙しようとも、酒のようにブラックアウトすることはないけれども。
何かに依存するとして、例えばラーメンが大好きで、365日毎食ラーメンを食べてます、といった所で、酒ほどの害はない。ちょっと変わってますねー、ぐらいかな。ラーメンをどんなに食べても、酔わないし。お金はそれなりに掛かるけれど。
ラーメンでなくても、例えばゴルフが大好きで、休みと言えば、家にはおらず、ゴルフ場です、という人がいても、金が続かなければ行かなくなるだけだろうし。
でも、酒は、全くの別物。金がなくても、飲みたいものは飲みたい、酔いたいものは酔いたい。自分の財布が空っぽなら、家族の金を使ってでも、酒を手に入れ、飲む。とにかく、アルコールを体内に入れたい。恐ろしい事に、完全に酒に支配されてしまっている、自分の頭。酒が主で、自分が従。
酒ほど、害のある中毒性の嗜好品は他にないだろう。(合法的に売られていて、普通にお店で買えるという点では。違法なドラッグなどは、論外)
私のような、酒に対してアンコントローラブルな人間のために、飲酒の免許みたいなのがあるといいのだが。アルコールをコントロールできて、適度に飲める人のみ、持てる飲酒免許。私のような人間は、無免許という事で、アルコールを買うことも、飲むことも、危険なので、許されません、なーんてね。
免許がある人は、酒のプールに飛び込んでも、さくっと泳いで、適度に酔って、すぐに上がることができる。ない人は、泳ぎ方もプールから上がるタイミングも分からないから、酒の水に溺れる。無免許飲酒は、犯罪です、なーんてね。
単なる空想の産物なので、あるわけないが。
それでも私は、勝手に、(自分で考えた)飲酒免許なしの無免許なので、アルコール入り飲料は絶対に飲まない、ということにしよう。
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ところで、本日の夕食時、テーブルについて、娘と話をしながら食べ始め、少し経ってから、ふと、酒のことを思い出した。いつもなら、ビールを飲みたくて、代わりに炭酸水など飲んだりしていたのだが。
おぉー!自分が夕飯時に、たったの2~30分だけれど、酒を忘れていた!
いやー、とても嬉しい忘れ物だった!
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