「酒は裏切らない」
のんべーの酒に対する思いを言葉にしたもの。
昨日、nobuさんから頂いた、私の断酒短歌tweetへの返信の中に、このフレーズがあり、これは書かなければ、とピーンと来た。
「裏切る」とは、デジタル大辞泉の解説によれば...
1 味方に背いて敵方につく。「同志を―・る」
2 約束・信義・期待などに反する。「信頼を―・る」「おおかたの予想を―・る」
1の意味だと、酒は自分の味方と言うことである。つまり、酒は裏切らない、と言うことは、酒は、決して自分の敵方につくことはない、となる。
2の意味だと、酒は約束・信義・期待などに反することはしないと言うことである。つまり、酒は裏切らない、と言うことは、酒は、飲むと気持ちよくなるという約束を守り、期待していた通りの酔いがもたらされるように、信義を守る、ということだろうか。
上記2の意味においては、「酒は裏切らない」と言うことは、のんべーにとっては正しい。
けれど、1の意味ではどうだろう。アルコール依存に陥り、もがき苦しんでいる多くの人々は皆、「酒は裏切らない」、自分の味方だと思い込んでいたのにも関わらず、実態は「酒に裏切られ」、自分の敵方に回ってしまった、と言うところではないか。
誰しも、アルコール依存になりたくて酒を飲み始めたわけではあるまい。私とて、当初はそんなことを少しも考えはしなかった。
その前に、そもそも、酒と何か約束したことって、あったのかな??強いて言えば、勝手に、「俺は酒を大好きなので、飲んで死んでもいい」と本気で考えていたことはある。それと、飲んで酔って気持ちが良くなるという期待はいつでもあった。
今、酒を断っているか、または断ちたいと思っている方々は、酒に裏切られた、或は、酒に寝返りされた、と言う気持ちのほうが強いのではなかろうか。
誰か人に裏切られたのであれば、その人を徹底的に自分の心から排除したり、二度と会わないとか、そういう報復手段が取れるのだが、酒の厄介な所は、裏切られて、身体を壊しても、家族関係を壊しても、ボロボロになっても、それでも相手(酒)を求めてしまうのだ。
酒に人格などあるわけも無く、アルコール(エタノール)が数パーセントから数十%混入しただけの液体に過ぎない。酒が私たちを振り回しているわけでもなく、勝手に私たちが好きになったり離れられなくなったり病気になったりして、酒の周囲で騒いでいるだけなのだ。
本当は、酒に罪はなくて、私たちの飲み方に問題があったわけである。ここの所を、私もつい最近まで間違えていた。酒を薬と捉えれば、睡眠薬でも風邪薬でも、決められた分量以上を飲むと、主作用よりも副作用のほうが強くなってしまうのと同じである。
だからと言って、もう、戻れないのは、昨日書いたとおりである。一度なってしまったアル中(アルコール依存症)は、ピタリと飲むのをやめても、飲み続けても、実態は同じアル中なのである。治癒はないが、やめている限り回復は続く。
酒と仲良くしていた時代がかつてあり、今、見限って仲違いしたわけで、しかも、二度と酒との仲直りは無いということで、めでたしめでたし、でどうだろうか。
これからは、自分を裏切らないように生きて行こう。
(写真は全て、先日の秩父で撮ったもの。快晴の気持ち良い一日だった・・・)
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