今日は、先ず、借金の話から(笑)
カネが無くて困った時に、気軽に貸してくれる金貸しは、金利が高い。
借りることが出来たその時は、あー助かった!と、神様のように思えても、さて、借りたカネは返さなければならない。もちろん、元金に金利を上乗せして、期限内に!
手元不如意で少しでも返済が滞ると、借りるときは神様に見えた金貸しの顔が、鬼の形相に変わって、早く返せ!とやいのやいの、と嵐のような催促が始まる。
同じ借りるとして、カネではないが、酒の力を借りるのは、どんな時だろうか。
辛いとき、苦しいとき、イライラしているとき、落ち込んでいるとき、悲しいとき、淋しいとき、疲れたとき、腹が減ったとき...そして、何故か嬉しいときも...
そうだ!酒の力(チカラ)を借りよう!
酒は簡単にチカラを貸してくれる。数百円から数千円もあれば、一時(いっとき)、憂さを晴らす事が出来る。実に手軽な酒のチカラだ。
でもネェ。チカラもカネも《借りる》って言うことは、いつか《返済》しなきゃならないのだ。借りた酒のチカラも、返さなければならない定めである。酒が貸してくれるチカラは、とてつもなく高金利で、ヤミ金以上である。
それを証拠に、多量に飲んで多幸感を味わった翌日に、不幸のどん底のような気分になる。それだけならまだしも、何か紛失していたり、終電で寝てしまいタクシー代が嵩んだり、事件を起こしてしまったり。借りた酒のチカラの返済は、そう簡単には終わらない。
恐ろしいことに、あまりにも酒のチカラを借りすぎた場合、ヘタすると、人生を代償にしても、返せない。つまり、カネで言うと借金が残ったまま、死ぬ。酒なので、その人が本来生きるはずだった酒のチカラを借りなかった人生が残ったまま、死ぬ。
まだ、サラ金やヤミ金のように、返済の催促をして来れば、何とかカネを工面しようという気にはなるが、酒は無言である。酒は、貸したチカラを返せとは言ってこない。借りた本人が気づくまで、どんどん、酒から借りたチカラが負の財産として積み上がるのだ。
それにしても、言葉の表現とは、おもしろいもので、
酒の力(チカラ)を《借りる》とは言うが、
酒の力(チカラ)を《使う》とは言わない。
酒を飲んだ時に湧いてくる力(チカラのようなもの?)は、所詮借り物に過ぎないと言うことだろう。
別の表現だと、
「酒の勢いで○○する」などと良く使うが、この○○の中には、ろくな言葉が入らない。時間のある方は、検索サイトで、《酒の勢い》と入れて見てほしい。
《酒の勢い》も、所詮は、アルコールのチカラに頼って、箍(たが)の外れた本能のままに行動してしまうだけである。結果はろくな事にはならない。
今日の報道で、飲酒運転で処分を受けた人の中で、半数が職場を解雇されたり、退職したりしているという、兵庫県警の聞き取り調査の結果が出ていた。9割近くの人が、「捕まらないだろう」「少量なので大丈夫」と思って運転していたそうだ。
酒のチカラを借りると、倍返しどころか、途轍もない返済額が待っている(かもしれない)。
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