『実録!あるこーる白書 (西原理恵子、吾妻ひでお、月乃光司)徳間書店』
昨年末、たまたま、図書館の「本日返却された本」コーナーに有ったのが目に留まり、借りてみた。
内容的には、これ一冊でアルコール依存症(以下、アル症)のイロハが網羅されている。その症状、医者への掛かり方、入院したらどうなるか、家族としてどう対応したらいいか、断酒会やAAの実態などなど。対談形式なので、とても読みやすい。
何しろ執筆陣(と言うか、対談者)が凄い。
西原さんは、アル症者を夫に持っていた人。
吾妻さんは、自分自身がアル症者であった人。
月乃さんも、吾妻さんと同じ立場の人。
アル症関連の本は、治療を担う医師が執筆することが多いが、この本は、上記3名の方、プラス司会進行係の編集部の人、の4名の対談形式になっている。
治療に携わる医療者の側ではなくて、アル症だったが今は回復している2名と、身内(夫)が同じ症状であった妻が、自らの経験を何も隠さず語り尽くしている。
壮絶であり、目を覆いたくなり、耳を塞ぎたくなるような事が、実にあっけらかんと語られている。全然湿っぽくないのである。さすが、西原、吾妻の両氏は漫画家であるので、頭の中では、ネタ扱いになっているようである。
ページごとに、出てくる言葉の解説が載っているし、章ごとに、アル症関連の用語説明も載っている。
特に、他のアル症関連の本には殆ど具体的なことが書かれていない、アル症者を陰で支えてしまうイネーブラーとしての家族が、本当はどういう態度で行動すればいいのか、赤裸々に語られている。イネーブラーではなく、問題解決のきっかけとなる、キーパーソンになりなさい、と。
はっきり言って、私など足元にも及ばない体験を、このお三方はされている。なので、語られる内容には迫力があるのだ。例えば、入院したらどんな治療が待っているのか、とか、断酒会やAAはどんな雰囲気で、どんなことをしているのか。実に良く分かる。
そんなわけで、感想文を書ききれないので、後篇と言う事で、明日へと続く!
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