私は最近、飲酒欲求をほぼ感じないで生活出来ているけれど、ふっと、感じる恐ろしい瞬間がたまにある。
魔が差しそうな瞬間とでも言おうか、丸で無条件に磁石に吸い付く砂鉄のように、酒に対して無力になりそうな時がある。順調に飛行していた飛行機が突如としてエアポケットに遭遇し急激に下降するような、飲みたいとか酔いたいとかの気持ちを越えた、魔の瞬間とでも言うような。
酒を断ってそろそろ2年になろうとするのに、ここまで来ても、矢張り気を緩めることは出来ないことを痛感する。
そんなことを考えていたら、子供の頃、砂場に棒やU字の形をした磁石を突っ込んで砂鉄を集めて遊んだことを思い出した。
一度酒を覚えてしまった人間は、砂鉄と同じ。砂場がこの世で、突っ込まれる磁石が酒とすると、やめて何年過ぎていようと、また磁石(酒)にくっ付いてしまう砂鉄(人間)も、何割かいるのだ。自分はもう二度と酒にくっ付きたくない!
が、酒の磁石は、ある日突然、何の前触れもなく出現する。断酒生活を続けようとする人は、この酒磁石に砂鉄のようにくっ付いて行かないように、十二分に気を付けなければならない。
この辺りどうすればいいのか。いつ磁石の近くを通っても、向こうから磁石が近づいて来ても、砂鉄としての自分は、磁力の及ばないように、距離をとって逃げるしかない。
つまり、酒と言う悪魔は、あらゆる手段で断っている人間を再度飲酒の魔の世界に引き込もうとする。こちらも、あらん限りの方法で、酒から我が身をガードするのだ。
「ちょっとだけ飲んでみようかな」
これがいけない。私にも極たまに来る。どのくらい酒を嫌いになったか、試してみようかな、みたいな、矛盾した悪魔からの勧誘。嫌いならば、試す必要などないわけで(笑)
子供の頃に罹った水ぼうそうのヘルペスウィルスは、ずっと身体に潜んでいて、大人になってからは静かにしているのだけれど、老化とかストレスが原因で、突如帯状疱疹などの形で暴れることがある。これに似ているような気がする。
飲酒の悪魔を体内から追い出すことは出来ない。なので、こやつは一生飼い殺しにしておこう!
*広告
↓↓↓※コメント欄は、承認制にしています。すぐには反映されませんが、必ず、読んで承認しますので、お待ち下さい<(.".)>
(まことに勝手ながら、コメント内容によっては、承認の前に、削除することもあります)