『「やめられない心」依存症の正体(クレイグ・ナッケン 著/玉置悟 訳)講談社』
自分のアルコール依存症は落ち着きを見せているが、関連する本を見つけると、ついつい手が伸びる。
アルコール依存症は、それを扱う人の職業や立場や経験によって、実に色々な捉え方があり、また、対処の方法も、書き手によって違う。どの本からも学ぶことがあり、この本だけ読めば後は要らない、と言うわけには行かない。
この本は、アルコール依存症だけではなくて、依存症全般について書いてあり、とても読みやすく、読み出したら一気に読んでしまった。
アルコールに関わらず、その他薬物、過食、ギャンブル、性的な行動、万引き・スリ、ワーカホリック、浪費など、全ての依存的行動を「アディクション」と呼び、本の中でこれらに共通する「やめられない心」の正体を解明していく。
やめられない心の行く先として、第1段階、第2段階、第3段階と、悪い方向へと進んで行く。
第1段階・・・内面に変化が起きる
第2段階・・・ライフスタイルに変化が起きる
第3段階・・・人生が崩壊を始める
この、進みゆくアディクションの第1段階で、アディクション体質が形成され、それによってアディクション人格が存在するようになる。アディクション体質とは、アディクションと言う病気によって作り出され、アディクションが進行した結果、その人の内面が変化して出来上がる。
その結果、「本来のノーマルな人格」と「アディクション人格」が、同一人物に共存するようになる。そして段々と、「本来のノーマルな人格」は、「アディクション人格」の言いなりになって行くのである。
アディクション人格については、私が以前から考えていた、もう一人の自分のことだと、すぐに理解できた。やめたい自分と、それを邪魔する自分。やめたい自分が、本来のノーマルな人格で、それを邪魔する自分がアディクション人格なのだ。
著者は、回復の条件として、まず自分に「アディクション人格」が存在することを認めて、その事実を受け入れることと、外部の人と積極的に交流することを挙げている。自分が二重人格になっていることを認めるかどうか、である。
こわい話だが、「行き止まり」の人生として、アディクションが進むにつれてその悪循環のサイクルから抜け出すのが困難になって行き、第3段階に進んでしまうと、もうその先がない。外部から第三者のなんらかの介入を必要とする。
更に、この本の後半では「やめられない」人間を作る家、と題して、アディクションのある親、虐待のある家庭、ネグレクトする家庭、子供に恥ずかしい思いをさせる家庭、一貫性のない親、など、その人の育った環境にスポットライトを当てている。
最終章の第5章では、「やめられない」人生から自分を取り戻す道、と題して、どのような考え方に基づいて、どんなことをすればいいのか、懇切丁寧なアドバイスが書かれている。これは、私が中途半端に紹介するより、本書を実際に読んでみたほうが良いだろう。
やはり、こう言った本を定期的に読んで、依存症について学び続けることが、私の断酒の継続のエネルギーになっている。
Happy!《読者通信》に超久しぶりのウサボからと、最近常連さんのきのこさん、いつも通信で盛り上げて下さるNoSakeSince20131225さんからメール便が届きました!
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