『実録!あるこーる白書』の読後の感想を、昨日に引き続き書いてみたい。
私が、とても興味を持った個所は、「境界線上のアルコール」と題した部分だ。ここでは、大酒飲みと、アルコール依存症(以下、アル症)の境界線はどこにあるのか、話合っている。
西原さんは、毎晩酒を飲む。が、酒に溺れているわけではなく、コントロール出来る。しかし、ご主人の鴨志田さんは、重度のアル症だった。
ここで、月乃さんが、アルコールによって、本人に肉体的、社会的に悪影響が生じているかどうかが分かれ目ではないか、と言う。
西原さんは、起きていないそうだ。
私は、ここで、自分のことをふと思い返した。自分はどうっだったのか。肉体的には何とか踏みとどまっていたが、社会的には多分に悪影響が出ていた。矢張り、アル症だったのだと思う。
アル症の予防法として、西原さんは、鴨志田さんの面倒を見るのではなく、もっと早く離婚して、彼を捨てていれば、彼の底付きが早くなって回復していたのではないかと思うそうだ。吾妻さんは、もっと早く仕事を休んで、休養していれば、酒に逃げることがなかったのではないかと、話している。
月乃さんが、アル症患者と、イネーブラーの関係が、まさに「地獄への道は善意で舗装されている」と言うのと一緒だと述べる。確かに、イネーブラーは、アル症患者の世話を焼き、尻拭いをし、その行動は善意にしか見えないが、結果的には、アル症患者を更に地獄へと導いている。
本当は、アル症患者本人が、「オレはもう、このままでは死ぬかもしれない」と、もっと初期の段階で、ガツンと味わわせることが、一番の薬になる、と夫の鴨志田さんを送った、西原さんは言う。
西原さんの夫の鴨志田さんは、最後は断酒に成功し、自宅に戻り、癌と闘いながら、家族と穏やかな日々を過ごしたそうだ。
もうひとつ、私が知らなかったことが書かれていた。それは、「ドライドランク」。訳して、空酔いと言うそうだ。酒を飲んで無いのに、酩酊したような徴候を表す。長期に大量飲酒をしていた人は、酒をやめても、そういう、飲まない酔っ払いのような症状が続くのだそうだ。
そう言えば、私も断酒後数ヶ月はあったかな〜。
他にも、吾妻さん、月乃さんの、入院体験、断酒会&AAの話など、実際に入院治療を受け、現在も自助の会に通うお二方の話は、現場の雰囲気がプンプンと生々しく、とても良く分かる。
AMAZONだと、435円から出品されていた。図書館でも、すぐ借りられるのではないだろうか。
是非是非読んで頂きたい本である。特に、アル症患者本人ではなく、家族の方が読めば、イネーブラーから、キーパーソンに変わるきっかけを掴むことが出来るのではないだろうか。
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