夕方、電車を降りて家へと向かっていると、我が家のすぐ近くの路上で、男が一人ゴロンと仰向けになっていた。駅前の細い通りから、更に枝分かれした小道なので、あまり車も通らず、左程危険ではない。
年齢は、50代くらい。角刈りで小太り。サンダルは路上に放り出され、裸足。両手がだらんと道路に。
どこからどう見ても、ヨッパライ。
私は遠巻きにそっと通り過ぎ、振り返ってことの成り行きを見守っていた。
ちょうどその男が横たわっている場所は、ある携帯ショップの真ん前で、客を案内していた店員が気づいたのだろう、店から出て来て声がけしていた。
店員:「お酒飲んでます?」
ヨッパライ:「う、うぅ。。。」
ヨッパライは、声掛けしてくれた大柄な携帯ショップの店員に両手を差し出して、起こしてくれと懇願した。
優しい店員は、その手をしっかりと掴んで、引き起こしていた。
傍から見れば、全くもって迷惑なヨッパライ。昼間から酒を出している店は近所に無いので、家でしこたま飲んでから、ふらりと外へ出て来たのか。
酒酔い以外で、道に横たわるケースとしては、交通事故に遭った、何らかの理由で急に意識を失った、意識ははっきりしているものの激痛などで動けなくなった、などが挙げられるだろうか。
今日見たその男は、ヨッパライであることはすぐに分かった。そこには、かつての自分がいた。断酒を選ばなかったパラレルワールドから、自分が出て来たのかもしれない。
殆ど車も通らぬ小道だったから、ゴロンと横になっても、このヨッパライは怪我ひとつせず、親切な人に助け起こされていたが、もし車が激しく行き交う幹線道路であったなら、命は無い。
私も、飲酒を再開してしこたま飲めば、今日見たヨッパライと全く同じ行動を取るかもしれない。私がそうするのではなくて、酒がそうさせるのだ。
アルコールの恐ろしさを再認識させてもらった、今日の出来事であった。
この、恐怖のアルコール入り飲料=酒は、コロナ禍にあっても、スーパーやコンビニで、大人でさえあれば、どんな種類の酒でも、どれだけの量でも、好きなだけ買うことが出来る。
私もあなたも、道に横たわるヨッパライになってしまう可能性をゼロには出来ない。
生涯燻り続ける飲酒の火は、決して消すことが出来ない。これに油を注ぐことのないように気を付けねば。
連日の猛暑にあっても、酒はおろか炭酸飲料でさえ飲みたいとも思わないが、油断禁物である。
このことを胸に、日々、酒から離れ断酒の日々を送る。
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