立春を過ぎてから、一番寒かったかもしれない。
朝焼けがとてもとても鮮やかに、一日の快晴を約束していた。
昔は軽くジョギングしていたこともあるが、今は歩いている。散歩よりは早めの歩き方で、１時間～１時間半くらい歩く。
走るよりもスピードが遅いので、足元のごみが目立つ。植込みの中や、橋の掛かっている川などに良く捨てられているのは、酒類のアルミ缶だ。
今日も、そうだった。近所に、源泉が湧き水の綺麗な川が流れており、カワセミも棲んでいて、大きなカメラを手にしたアマチュアカメラマンが群がるくらい。
ふと川に掛かる橋の中央で歩く足を止めて、冬場で水量の割と少ない川を見詰めた。寒くても青い草が生い茂り、鷺が一羽、盛んに何かを捕食している。
何とも自然の美しさを堪能できる光景だが、その近くのあちこちに落ちているアルミ缶が、こちらの心をげんなりとさせる。
私の立つ橋から川面まではほんの数メートルなので、落ちているアルミ缶の銘柄が見える。それらは全て、酒類の缶だった。〇〇酎ハイとか、〇〇の水割り、とかの字が見える。
昼間か夜中か知らぬが、ゴクゴクと毒物アルコール飲料を飲み干し、不要になった缶をば、ポイッと橋の上から捨てて行ったのだろう。酷いことをするものだ。
綺麗な水が流れ、青い草が茂り、どこかからやって来た白い鷺が忙しく動き回る光景を見て心洗われつつも、心無い飲んだくれの仕業に、とても腹が立った。
飲んだくれ時代の私でさえ、飲んだ後のアルミ缶のポイ捨てなどしたことは無い。
飲んだくれによる空き缶のポイ捨ては、ヤニカスによる歩きたばこ時の吸い殻のポイ捨てと同じだ。自分の欲望さえ満たせば、それに使って不要になったごみは、どこでもポイッと捨て去る。
あまりにも手軽に手に入るアルコール飲料。飲んだくれは、その中身に用があり、外側の缶は、飲み干した後は邪魔な物体に過ぎないから、早く自分の身から離したい。なので、ポイッ！
ポイッ！ではないが、飲んだくれ時代の我が家のごみの中で、一番かさばるのは私が飲んだアルコール類の缶や瓶だった。当時からゴミ出しは私の役割だったので、酒を全く飲まない今のゴミ出しは、とても楽だ。
炭酸飲料類も買わなくなったので、飲料のごみとして多いのは、牛乳や野菜ジュース、フルーツジュースなどの入っていた紙パック。切り裂いて重ねるとあまり嵩張らない。
断酒すると、身体に悪い毒物のアルコール飲料は買わないで済むので、家計にも優しいし、ごみが出ないので、地球にも優しい。
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